けいれん性発声障害 ケイレンセイハッセイショウガイ

初診に適した診療科目

けいれん性発声障害はどんな病気?

けいれん性発声障害とは、発声時に自分の意思とは関係なく声帯を含める喉頭が必要以上に閉じようとけいれんするため、声が震えたり、つまったりする病気です。声帯自体に形態的な異常は見られません。

主な症状

けいれん性発声障害は、発声しようとすると自分の意思とは無関係に声帯が異常な動き方をしてしまう病気です。その結果、声が詰まる、震えるといったことが起こり、苦しく絞り出すような声になってしまいます。話の出だしよりも後のほうになると詰まりが強くなる傾向があり、最後の方になるとほとんど声にならないこともあります。まれですが逆に無意識に開く動きが出ることもあり、その場合は話の途中で突然息が抜けて声にならない時が出てきます。

主な原因

けいれん性発声障害は、部分的なジストニアともいわれていますが、原因に関してはまだ詳しく分かっていません。なんらかの脳や神経の問題、幼少時の体験などが原因になっている場合もあると言われています。

主な検査と診断

けいれん性発声障害は、特徴的な臨床症状や喉頭ファイバースコープ検査所見により、音声外来を行っている専門医であれば比較的容易に診断をつけることができます。

主な治療方法

けいれん性発声障害の治療には、大きく分けると手術療法と薬による治療があります。
手術には、局所麻酔下に頸部を切開し甲状軟骨を切開してチタンプレートで固定する喉頭形成術と、全身麻酔下に口から手術器具を入れて声帯の深部にあるけいれんしやすい筋肉を切除する甲状披裂筋切除術などがあります。
薬の治療は、ボツリヌス毒素を加工して薬剤としたボトックスの注射剤を甲状披裂筋に注射し麻痺させる治療です。3カ月ぐらいで効果は切れますが再投与可能です。欧米では以前から第一選択の治療方法ですが、最近日本でも保険診療で可能になりました。