wdha 症候群 ダブリュディーエッチエーショウコウグン

初診に適した診療科目

wdha 症候群はどんな病気?

wdha 症候群とは、脾臓の腫瘍がVIPというホルモンを産生するために大量の水溶性下痢や胃無酸症、低カリウム血症を起こします。wdhaとはこれらの頭文字からきています。症状は一日に1リットルから10リットル程、水様便の下痢が一か月以上続きます。治療にはVIP産生腫瘍の全摘出手術が行われます。腫瘍が悪性で下痢が続くようであれば化学療法を行います。

主な症状

wdha 症候群は短い期間で大量の尿のような薄い水様便の下痢を起こすのが特徴的な症状になります。カリウムが大量の下痢のために必要以上に排出されてしまい、このために高度な低カリウム血症を引き起こします。また、胃無酸や低酸症も引き起こします。他にも肝嚢腫大や皮膚紅潮、耐糖能異常、高カルシウム血症などが見られることもあります。

主な原因

wdha 症候群は、膵臓に出来た腫瘍が、28のアミノ酸残基で構成されるペプチドホルモンである血管作動性腸管ペプチド(Vasoactive intestinal peptide、VIP)を生成することが原因で起こります。このペプチドホルモンが胃液を抑制する一方で、小腸分泌を刺激し、短期間で大量の水溶性の下痢や胃無酸症カリウム血しょうを引き起こします。

主な検査と診断

wdha 症候群の検査方法は、まず血液検査による原因ホルモンの分泌異常の有無を調べます。血液検査にて症候性腫瘍の可能性が高まった場合には、次に腹部超音波検査やCT検査、血管造影検査にて発症部位の特定と範囲の広さの特定が行われます。また、ホルモン分泌異常による他の臓器への影響、腫瘍の有無などについて、合併症状がないか詳しい検査が行われます。

主な治療方法

VIPomaとも呼ばれるwdha 症候群は膵臓ランゲルハンス島腫瘍及び褐色細胞腫を原因とし、治療法は腫瘍の全摘出です。手術後に完全に取り除けたかどうかは血中のVIP値を測定します。悪性腫瘍で転移が認められる場合は化学療法も行われます。また低カリウム血症や脱水に対して保存療法も行います。水溶性下痢を改善させるためにはサンドスタチンなども用います。