脂肪塞栓

初診に適した診療科目

脂肪塞栓はどんな病気?

脂肪塞栓とは、脂肪が血管を塞栓してしまう病気のことで、最悪の場合は死に至るものです。多くの場合、多発外傷や熱傷などのような外的な要因によって組織についていた脂肪が血管に流れ出しそのことによって血管を塞栓してしまう症状のことをいいます。特に大きな外傷のあと、24時間から48時間ぐらいで発症することが多いので注意が必要なのです。

主な症状

脂肪塞栓とは、どんな症状かといいますと脂肪細胞に多くは血液が塞栓されるので、臓器が虚血により、不全を起こします。塞栓される臓器によっては様々な臓器不全を起こします。軽度の塞栓ですと、状態も変化はないですが肺動脈を塞栓されたりした場合には低酸素症をおこし、脳に栄養を送る動脈に塞栓が生じれば意識障害を起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。

主な原因

脂肪塞栓の原因は、骨折や骨髄損傷などにより骨片ができ、その骨片により血管に傷ができた時に脂肪代謝が変化し、血液中の脂肪が脂肪滴になるためと言われています。また、傷ができた部位から骨髄などの脂肪が入り込むためだというものがあります。その他には、糖尿病、やけど、骨髄炎、皮下脂肪組織の挫滅、急性膵炎がもととなることもあります。

主な検査と診断

脂肪塞栓の検査方法としては、大基準として点状出血がないか、呼吸器肺症状及びX線病変、頭部外傷と関連しない脳・神経症状を検査する。中基準としては、低酸素血症、ヘモグロビン値低下、小基準は、頻脈、発熱、尿中脂肪滴、血小板減少、赤沈の発足、血清リパーゼ値上昇、血中遊離脂肪滴などこれらの検査で判断し大基準2項目以上、大基準1中基準4以上で臨床診断確定。その他は大基準0、中1、小4で疑いになる。

主な治療方法

脂肪塞栓の治療法はステロイドを大量に投与する大量療法が採用されます。換気が困難になるので機械を用いた機械的換気を行います。初期の段階で発見できていればステロイドの大量投与で改善しますが、初期段階を過ぎているとステロイドの大量投与だけでは改善が難しいだけではなく換気困難になっているので、機械を利用しての換気の補助をします。