ゴットロン徴候 ゴットロンビコウ

初診に適した診療科目

ゴットロン徴候はどんな病気?

ゴットロン徴候とは、皮膚筋炎(膠原病)に伴う皮膚症状のひとつです。手指関節の背面に角化性(角層が厚くなりカサカサした状態)の紅斑で、手指先端指腹の裂溝を伴う角質化は「逆Gottron徴候」とよばれます。皮膚筋炎の初期の血液検査ではっきりしない状態でも、ゴットロンの症状で皮膚筋炎と診断することが出来ます。徴候を最初に報告した医師の名前がつけられています。

主な症状

ゴットロン徴候は、筋肉が炎症することによって、筋肉に力が入りにくくなったり、倦怠感や疲労感を感じたり、筋肉に痛みを感じたりするなどの自覚症状とともに、肘の関節や膝の関節の外側に、がさがさとした紅斑が現れます。これは膠原病の一種で、皮膚のコラーゲン組織の異常によって発症します。進行すると食べ物が飲みこみにくくなったりするなど、日常生活にも支障をきたします。

主な原因

ゴットロン徴候は、病原体などから自分の体を守る免疫システムのバランスが崩れ、自身の身体の細胞や成分に対する抗体を作ってしまう、自己免疫異常が原因で発症すると考えられています。その他に、ウイルスによる感染、悪性腫瘍、薬剤による影響や副作用、遺伝的要因などが関連しているとも考えられていますが、詳細な理由はまだ解明されていません。

主な検査と診断

ゴットロン徴候の検査方法は筋肉の異常を調べるために画像検査や血液検査などの診断を行います。血液検査では筋肉障がいの徴候を示すアルドラーゼ、クレアチニンキナーゼ、ASTの上昇がないか検査をし、筋電図を使用した検査では筋力の低下が筋肉の障がいによるものか調べます。また筋生検により筋炎の特徴である炎症を起こす細胞が筋肉内に多数確認される場合は診断の決め手となります。

主な治療方法

ゴットロン徴候の治療法は大量ステロイド療法です。ステロイドを大量に投与しながら筋力の回復を待ちます。筋力の回復は急激に良くならないので数ヶ月かけてゆっくりと経過観察し、筋力が回復してくるとステロイドの量を減らしていき、病状が維持できる最小限度にとどめます。ステロイドの減量は必ず医師の判断で行い、筋力の回復も医師がチェックします。