結核性髄膜炎はどんな病気?
「結核性髄膜炎」は、結核菌の感染により生じる髄膜炎で、乳幼児に多くみられますが、成人でも稀ではなく、死亡率の高い病気です。約2週間の経過で頭痛・発熱・意識障害が進行し、失明・難聴・水頭症などの重度の後遺症を残す事が多いため、早期治療が必要です。亜急性の発症で、今までに経験した事のないような強い痛みの頭痛と共に、嘔吐・発熱などの症状で始まるのが特徴です。
主な症状
結核性髄膜炎の症状は、乳幼児の場合は元気がなくなる、機嫌が悪い、食欲不振などがあり、発熱、痙攣、嘔吐するようになります。成人の場合は、発熱、体重の減少、頭痛などが現れます。頭痛はこれまでに経験のないほど痛みがひどく、頭全体ががんがんします。また首が硬くなって下を向きずらくなります。進行してくると精神状態の変化や異常行動などがみられるようになります。
主な原因
結核性髄膜炎の原因は、髄膜への血行性の結核感染です。肺結核などにより結核の病巣が体内にある場合、その病巣から血液に乗って体中に結核菌が運ばれます。その結核菌が髄膜に到達し感染すると、炎症症状を引き起こします。また、肺以外にも、リンパ節や腎臓などの結核の病巣から、髄膜へと血液を介して結核菌が感染するということもあります。
主な検査と診断
結核性髄膜炎の検査方法は、CT検査やMRI検査では、くも膜下槽の増強効果がみられる場合があり、進行すれば水頭症や梗塞巣の合併や結核腫の形成も現れます。PCR法による菌DNAの検出は感度や特異性とも高くなっています。その他白血球の増加や、ツベルクリン反応陽性、胸部X線異常、縦隔リンパ節腫大などの症状があるので疑いがあれば検査をします。
主な治療方法
結核性髄膜炎は発症次第、早めに治療を始めることがとても重要で、治療を始めるのが遅かっただけでも死に繋がる事があります。治療法は結核菌検出の結果出る前から、イソニアジド+ピラジナミド+ストレプトマイシン+リファンピシンの4つの薬剤を併用した治療を始めます。症状が酷いならば、炎症や浮腫の軽減するために副腎皮質ホルモン剤を併用します。