ガストリノーマ

初診に適した診療科目

ガストリノーマはどんな病気?

ガストリノーマとは、膵臓から分泌されるホルモンであるガストンを分泌する細胞に発生する腫瘍のことをいいます。この腫瘍ができるとガストリンという胃液の分泌を即すホルモンが多く分泌され、それに伴って胃液が過剰に分泌されることになるのです。一般的には膵臓に発生することがほとんどですが、食道や脾臓、胃などに発生することもあります。

主な症状

ガストリノーマの症状としては、胃潰瘍・十二指腸潰瘍と同様に腹痛が多いです。また、他にも下血・下痢・吐血・吐き気・嘔吐といったものが発生します。このように、この疾患では胃・十二指腸の活動性消化性潰瘍と同様のことが引き起こされる場合が多いのです。この疾患は、腸の破裂・出血・閉塞を引き起こす場合もあり、こうした場合は生命にも関わるので注意が必要となります。

主な原因

ガストリノーマの原因は、脾臓の細胞の腫瘍によるものです。脾臓のランゲルハンス島細胞からは、体のコントロールに必要なホルモンが分泌されます。インスリンの他、ガストリンといったホルモンも生成されます。このガストリンを生成する細胞に腫瘍ができたことによって、ガストリンの分泌量が減少することになります。その結果、ホルモン異常による病変を引き起こします。

主な検査と診断

ガストリノーマの検査方法としては、血液検査で、ガストリンの異常高値を確かめることが、シンプルで一番わかりやすいです。血液検査は、早朝の空腹時に行います。他には、胃液を採取して、酸性の酸度の高さを調べる方法や、CTスキャンや超音波内視鏡検査、PET検査、動脈造影検査等の画像検査で、腫瘍の有無や位置を調べる方法があります。

主な治療方法

ガストリノーマの治療法は、腫瘍を除去する手術が一般的ですが、ときには全摘手術をすることもあります。移転や多発性腫瘍の場合などには、腫瘍の摘出が困難となることがあるため、過剰な胃酸分泌を抑えるために薬物が使用されます。内科的には、ヒスタミンH2受容体阻害薬などが使用されるほか、化学療法でストレプトゾトシンなどが適用されることもあります。