卵巣過剰刺激症候群 ランソウカジョウシゲキショウコウグン

初診に適した診療科目

卵巣過剰刺激症候群はどんな病気?

卵巣過剰刺激症候群とは、卵巣が不妊治療で使用される排卵誘発剤に過剰に刺激されるために起こる症状のことを言います。卵巣が膨れ上がるため、腹水、胸水がたまる、腎不全、血栓症などが起こる危険があります。不妊治療を開始してから急におなかが張るようになった、尿が少なくなった、吐き気などの症状が見られたらすぐに医師に相談することが必要です。症状は排卵誘発剤の使用をやめることでおさまることも多いです。

主な症状

卵巣過剰刺激症候群の症状は、お腹が張り、腹痛や腰痛が起こります。急激に体重が増加したり腹囲の増加、乏尿、下痢、吐き気や息苦しさ、喉の渇きがあります。卵巣が腫大しており腹水が溜まります。悪化すると腎機能障害や電解質異常、血栓症、呼吸障害を引き起こします。少しの痛みが安静時にも痛みを感じるようになります。進行が早いので違和感を感じたら病院の受診が必要です。

主な原因

卵巣過剰刺激症候群は、排卵誘発剤による不妊治療などが原因となり、卵巣が腫大し、お腹に水がたまったり、その他の合併症を引き起こすことがあります。腫大した卵巣からは、エストロゲンが過剰に分泌され、卵巣の毛細血管の透過性が亢進し、血液中の水分がお腹にたまります。排卵誘発治療における、hcg製剤投与後に起こりやすいので注意しましょう。

主な検査と診断

卵巣過剰刺激症候群の検査方法は、軽症であれば数日毎の受診時に超音波検査や血液検査を行います。問診で腹部膨満感の憎悪や尿量の減少、体重の異常な増加についてなどの自覚症状を尋ねます。症状が中等度以降になると入院管理を行い、尿検査での尿量検査、血液検査でのヘマトクリットや白血球数、血清アルブミンの測定などを定期的に行います。

主な治療方法

卵巣過剰刺激症候群は、軽症、中等症、重症の3段階に分類され、いずれも自然に症状が治まるのを待つことを治療法の年頭に置いています。軽症、あるいは中等症の場合は、外来にて経過観察を行いながら回復を待ちますが、重症の場合は、入院のうえ、経過を観察します。何らかの理由でHCGを投与している場合は、即座に中止します。また、卵巣が大きくなりすぎていると破裂の可能性があるため、日常生活での安静が必要となります。