副腎白質ジストロフィー

初診に適した診療科目

副腎白質ジストロフィーはどんな病気?

副腎白質ジストロフィーとは、脳や脊髄といった中枢神経における脱髄と副腎不全を特徴とする遺伝病で、子数万人に1人の割合で発病します。女性の場合は通常問題となるような発症はすることはなく、あっても軽い神経症状が起こる程度ですが、男性の場合は4割が思春期までに大脳症状で発病し、50歳までにはほぼ全員がなんらかの神経症状が発生します。脊髄症状の方でも約半数が大脳症状に進行します。

主な症状

副腎白質ジストロフィーの症状は、人によって様々ですが、小児で発症した場合、日々の生活などでのヒステリーなどの過敏症をはじめに、行動異常、学力低下、歩行不安、無言症、失明、皮膚の剥離などがみられます。発症すると多くは急速に進行するため、約2年ほどで寝たきりの状態になる可能性があります。平均余命は、5年とも言われています。

主な原因

副腎白質ジストロフィーは、X染色体に存在しているALD遺伝子という遺伝子のキズ・変異によって引き起こされるとされています。この病気の原因はALD遺伝子のキズ・変異にあるのです。また、ALD遺伝子のつくるタンパク質はALDPと呼ばれ、このALDPの異常がこの病気を引き起こすことに関与しているとされていますが、詳しいことは解明されていません。

主な検査と診断

副腎白質ジストロフィーの検査方法では、採血して血清の極長鎖脂肪酸を分析します。特定の極長鎖脂肪酸が増えていれば確定的になります。さらに、頭部MRIやCTで、大脳白質における神経線維を覆っている被膜がなくなる脱鞘が起きているかどうかも調べます。視覚や聴覚の認知機能を見る神経心理学検査は、この病気の早期発見に有効と言われています。

主な治療方法

副腎白質ジストロフィーの治療法は、低極長鎖脂肪酸食を心がけることや造血幹細胞の移植により行います。低極長鎖脂肪酸食によって、極長鎖脂肪酸の増加を抑えます。また、造血幹細胞移植によって、症状を改善させたり、病状の進行を止めることが期待できます。また、栄養補給や副腎皮質ホルモンの補充などを対症療法として行うことが必要です。