プロピオン酸血症

プロピオン酸血症はどんな病気?

プロピオン酸血症とは、先天性の有機酸代謝異常症の一つで、体内にプロピオン酸を中心とする有機酸が蓄積し、遺伝性疾患の総称です。発症頻度は40万から50万人に一人と考えられていましたが、タンデムマスを用いた新生児スクリーニングでは、およそ3万人に一人の割合だと明らかになりました。症状は病型にとって差異がありますが様々な代謝異常をきたし、食事療法や、タンパク摂取の中止などの治療法が用いられます。

主な症状

プロピオン酸血症は、急性期と慢性期によって、また、個人差があるため人によって症状は変わります。急性期の場合、繰り返し嘔吐し、それによって脱水症を起こすことがあります。呼吸がしにくいため意識障害を引き起こす恐れがあります。慢性のものであると、嘔吐や食欲不振をはじめ、骨粗しょう症になりやすく、発達や成長に遅れや異常が見られます。骨髄や心臓に異常起こる場合もあります。

主な原因

プロピオン酸血症の原因とは、プロピオニルCoAカルボシキラーゼ遺伝子の異常によりイソロイシン、バリンなど必須アミノ酸や脂肪酸の代謝に悪影響を起こすことで起きるといわれています。危険なケトアシドーシス発作を起こす常染色体劣性遺伝疾患です。酵素遺伝子の変異によるものが関係するとされており、これからも研究がすすめられていく病気です。

主な検査と診断

プロピオン酸血症の検査を行う時は、大学病院や大きな総合病院で行なう事をオススメします。検査方法は、血液検査を行い遺伝子検査を進めていきます。血液は、足の裏から採ります。この検査に掛かる費用は無料なのですが、採血に掛かる費用は自費となっています。大学病院や大きな総合病院であればこの検査を実施しており、すぐに受ける事が出来ます。

主な治療方法

プロピオン酸血症の治療法は、軽症の場合と重症の場合で変わってきます。軽度、中程度のものであるほど早めの治療で発作やけいれんを防画ことが出来ます。授乳時には特殊なミルクにより蛋白質を制限すること、代わりにカロリーを十分摂取することが必要です。また、ケトアシドーシス発作が起きた場合、グルコースの点滴を行い、すぐに呼吸などのケアをします。

プロピオン酸血症の初診に適した診療科目

プロピオン酸血症に関連する病名