メチルマロン酸血症 メチルマロンサンケツショウ

初診に適した診療科目

メチルマロン酸血症はどんな病気?

メチルマロン酸血症は遺伝の病気で、先天的にある種類のビタミンや酵素を生成することができず、メチルマロン酸の代謝が正常に行われなくなり、アシドーシスという状態になって嘔吐や呼吸困難を起こします。新生児の場合は最初のアシドーシスの発作で死亡してしまうこともあります。急性発作を切り抜けた場合であっても、発育不全や知能障害などの後遺症が残ります。

主な症状

メチルマロン酸血症の症状は病型によって差異があります。急性期の時は、頻回の嘔吐と脱水、呼吸窮迫、意識障害をきたします。慢性的には嘔吐と食欲不振、成長障害、発達遅滞、肝腫大、易感染性、骨粗鬆症が起こります。約半数の例で汎血球減少症が認められています。血液中のコレステロールや中性脂肪の値が高くなります。遺伝性の場合、黒目の外側に白っぽい和ができたりコレステロールの固まったこぶができる場合があります。

主な原因

メチルマロン酸血症とは尿内に高アンモニアが検出される病気のことです。そのため放置しますと脳障害を起し死に至ることがあります。この病気の原因としては、染色体異常による代謝異常が発症因子となっていることが最近、解明されています。このため乳児や小児期に発病することが多く、根治療が現時点ではないので対処療法にとどまっているのです。

主な検査と診断

メチルマロン酸血症の検査方法は、血液検査、尿検査などの基本的な検査に加えて、先天代謝異常検査(がスリー検査)、タンデムマス検査が用いられることがあります。タンデムマス検査では、一度でたくさんの病気を検査することができ、発見できる病気に関しては、脂肪酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、アミノ酸代謝異常症という3つのグループに分けることができるので、大変便利です。

主な治療方法

メチルマロン酸血症の治療法は、主に食事療法が挙げられます。タンパク質の摂取を制限して、L-カルニチンやメトロニダゾールを服用します。また、ビタミンB12代謝経路異常型の患者であれば、ビタミンB12を大量に投与して様子を見ます。重症化している患者の場合は、血液透析を行う場合もあります。また、腎障害などの合併症が見られている場合は合わせて治療を行います。