炭疽

初診に適した診療科目

炭疽はどんな病気?

炭疽は、菌が原因によって発症する人獣共通の伝染病の一つです。脾脱疽ともいう。菌の感染によってて血液の中にその菌が増殖することになり、敗血症を引き起こします。野生動物や家畜に対する感染症だったのですが,病獣との接触で人間に対しても感染することがわかっています。しかし、この病気は現代では減毒生菌による免疫法を確立していますので、全く怖い病気ではありません。

主な症状

炭疽菌が皮膚の小さな傷などから感染すると、1~7日後にニキビ状の小さな、痛みも感じない丘疹が現れ、周囲には発疹と浮腫が出てきます。丘疹は崩壊して潰瘍となり黒いかさぶたを形成します。肺から感染するとインフルエンザと似たような症状を引き起こしたのちに、高熱や膿、血痰をだし、呼吸困難になります。また口から感染すると、高熱や吐血などを引き起こします。

主な原因

炭疽が発症する原因は、グラム陽性好気性有芽胞桿菌の感染によるものです。しかし、本来この病気は草食動に発症する病気のため、土壌に存在するグラム陽性好気性有芽胞桿菌が直接人体に感染することはありません。牛などの草食動物に感染した後に、その動物を介して人間に感染するのが一般的です。ただし、生物化学兵器として開発されたものであれば、動物を介さずに感染してしまうことも考えられます。

主な検査と診断

炭疽は、死亡率の高い危険な感染症として知られるわけだが、この感染症の検査方法にはどういったものがあるのか説明していきます。まず、患者と同様に感染の危険性があるヒトにはこの感染症に有効な抗生物質投与や予防のためのワクチン接種が必要となります。この感染症の検査法としては、染色法・培養法・PCR法による遺伝学的検査法といったものがあります。

主な治療方法

炭疽症の治療法は抗生物質で行います。原因菌の確定診断および感受性検査結果が判明するまではシプロフロキサシンの静注を行います。 確定診断および感受性検査結果が判明後は、ペニシリン感受性菌であればペニシリンGを、ペニシリン耐性菌の場合はドキシサイクリンの静注を行います。臨床症状が回復するに従って、 静注から経口薬に移行します。