右心不全 ウシンフゼン

初診に適した診療科目

右心不全はどんな病気?

右心不全とは、心室の収縮力が低下し、心臓のポンプとしての役割が果たせなくなり、身体に必要なだけの血液が送り出せなくなってしまうことです。
右心室の力が低下すると、静脈から入ってきた血液がつかえて静脈系がうっ血します。
症状としては、特に心臓に近い静脈に血液がたまったり、首の静脈に血がたまる頸静脈怒張、また、体に血液が溜まるため浮腫も現れます。胸や腹に水が溜まり、胃腸の調子が悪くなり食欲が減退します。

主な症状

右心不全とは、右心系の機能不全にともなう一連の病気であり、静脈系のうっ血が主体となります。
症状としては、液体が体全体または下側に溜まるので、体重が急に増加し、足がむくみます。
また、腹水や肝腫大や静脈怒張など、循環の不良が原因となるものが挙げられます。

主な原因

右心不全(うっ血性心不全)の原因は、四つあります。まずは、右心室の吐出量の低下です。
老化に伴い、心臓のポンプ機能が低下すると心拍出量が低下するのです。次に、静脈還流血液(全身から上下の大静脈を経て還流してきた静脈血)の貯留です。
第三は、中心・末梢静脈圧の上昇です。心筋が末梢組織や肺に必要な血液を送り出せなくなります。
最後に、体静脈のうっ血(体循環のうっ血)です。

主な検査と診断

右心不全の検査は心エコーを中心に行います。心エコー検査では心機能やポンプ機能の評価をし、その他の原因となる虚血性心疾患や心臓弁膜症などの疾患がないか検索します。
またより精密に評価するために血液検査でBNP濃度検査をしたり、心臓MRIを行うことがあります。

主な治療方法

右心不全の治療法といっても心不全の原因自体がさまざまあり、それぞれに応じた最善の治療をします。
ただし一般的な治療としては静脈うっ滞を改善する為の利尿薬、心臓の拍出量改善の為の強心薬を状態や段階によって使い分けます。また血管拡張薬を併用して使うこともあります。
また予後を改善する目的の交感神経β受容体遮断薬やアンジオテンシン変換酵素、その他抗アルドステロン薬の併用による治療も推奨されています。