視床出血 シショウシュッケツ

初診に適した診療科目

視床出血はどんな病気?

脳が様々な部位がありますが、大脳半球に囲まれたところには間脳があります。
この間脳の一部に視床という部位があり、ここで出血が起こることを視床出血といいます。
脳出血の中では2番目に多くみられる病気で、全体の3割を占めています。
視床には知覚に関する刺激が集まっているうえ、これらの繊維は交差しているため、片方の視床において出血が起こると反対側の視床にも影響があり、全知覚障害が起こってしまうのです。

主な症状

視床出血による症状としては、しびれや半身麻痺、意識障害などが挙げられます。
出血が起こると、半身の激しい痛み(視床通)が起きたり、気分が悪くなり頭痛やめまい、嘔吐などが起こります。出血範囲が広くなったり深くなると、呂律が回らなくなり、麻痺やしびれが起こります。また、眼球が下内側をみるような位置になったりするのも特徴です。
進行すると意識障害が出現し、昏睡睡状態に陥って呼吸状態が悪くなり死亡することがあります。命が助かっても後遺症が残る場合が多いです。

主な原因

視床出血の原因は何か。これを考えるためには、それは脳出血の症状の一種として出てくるものなので、脳出血が起こる因子を考えれば良いということになります。
どうして脳出血が起こるのか。最も多く報告されるのは、高血圧を理由として起こるものです。
これは、患者全体のおよそ70%がそうだと言われています。これが視床に生じると、この病気にかかるということになります。

主な検査と診断

視床出血であるかどうかを確認するための検査方法はいくつかあります。
まずはじめに視床は基本的な生命現象をつかさどる場所ですので、特異的な行動や現象が見受けられるかどうかを目視により検査します。
それにより疑いが強まった場合には、MRIという画像診断法を用いて、視床の部分に出血がみられるかどうかを確認することになります。出血があれば、画像上の色の違いで判別されます。

主な治療方法

視床出血の治療法は、止血剤の投与や血圧のコントロールによって出血を止める保存的治療と、内視鏡や開頭法を用いて手術による除去を行う外科的治療を、症状や患者の状態に合わせて行います。
経過を観察しながら、合併症の可能性がある場合はそれらも考慮して、治療方針を決定します。
脳深部にあるこの部位からの出血の場合は、合併症の危険がある場合には手術を行うのが一般的です。