卵巣嚢腫

初診に適した診療科目

卵巣嚢腫はどんな病気?

卵巣嚢腫とは女性の体の左右にある卵巣のどちらかに良性の腫瘍ができて腫れてしまうことです。通常の卵巣は、2.3センチ程度の大きさなのが、大きく腫れてしまいます。
発見された場合、卵巣がんとの鑑別も受ける必要があります。しかし、比較的、発見が遅くなることが多いので、腹部膨満感、下腹部痛、性器出血、便秘などの今までなかった症状が現れた時は、早めに婦人科で診断を受けることが大切です。

主な症状

卵巣嚢腫の症状があらわれるのは、嚢腫がある程度大きくなってからです。卵巣周囲の臓器を大きくなった嚢腫が圧迫し、便秘や頻尿、下腹部の膨らみなどがあらわれます。
また月経過多、月経痛などの月経異常もあらわれることがあります。嚢腫が5センチ以上になると、茎捻転を引き起こす場合があります。この状態になると突然立っていられないほどの激痛が走ります。また嚢腫が破裂する可能性も出てきます。

主な原因

卵巣嚢腫のできる原因はまだはっきりわかっていません。卵巣囊腫の中でも皮様のう腫は、卵子が受精していないのに勝手に人の体になるための細胞分裂を始めてしまうために起こると考えられています。また卵巣チョコレートのう腫は子宮内膜症から形成され、卵巣内部で子宮内膜が増殖して、月経と同時に出血を繰り返し卵巣の中に月経の血が貯まることで発生します。

主な検査と診断

検査方法は超音波検査、CTMRIなどの画像による検査があります。CTMRIは卵巣は勿論、周辺の部位も合わせて確認ができる方法です。また血液検査で腫瘍マーカーの数値を調べ、卵巣腫瘍による異常値がないかを確認する場合もあります。この数値が低く、画像で充実性の部分が確認できない場合は良性の可能性が高くなりますが、腫瘍を摘出して病理組織検査によって悪性ではない場合、初めて良性の卵巣嚢腫と診断できることになります。

主な治療方法

卵巣嚢腫の治療法は、手術による摘出が原則で、近年は腹腔鏡を使った摘出が多くなっています。何故なら傷口が12cmと小さく、手術後が楽なことや入院期間が短いなどの利点が多いためです。しかし、腫瘍のサイズが大きかったり、悪性の可能性がある場合、癒着が予想される場合、妊娠中などでは開腹による腫瘍切除が必要となります。その場合も原則として嚢腫部分のみを摘出します。