大腸憩室症ダイチョウケイシツショウ

大腸憩室症はどんな病気?
大腸憩室症とは、大腸憩室と呼ばれる大腸粘膜にできる袋状のへこみが多発した状態を指します。
大腸憩室は大腸の一部が腸管内圧の上昇により嚢状に腸壁外に突出したものを指し、1㎝程度のものから開口部が2㎝を超えるものまでさまざまです。
これが炎症、出血することで腹痛や発熱、吐き気、嘔吐を引き起こします。

憩室壁が腸壁の全層からなる真性憩室と、筋層を欠く仮性憩室に分けられますが、大腸憩室の大部分は仮性憩室で、比較的高齢者に多い病気です。
ほとんどの場合は後天性で、大腸の壁と腸管内の圧力のバランスが崩れることが原因とされています。
左側型、右側型、両側型など発生部位によっても分類されており、日本人においては右側の結腸に発生するケースが多いとされています。
年齢を重ねると左側の結腸にも発生するリスクも高まります。

大腸憩室がある状態では特に症状はなく、血管が破けて出血したり細菌感染などで炎症を起こすなど急性疾患を合併することで先に挙げたような症状を引き起こします。


大腸憩室症の症状
大腸憩室症は多くは無症状のまま経過しますが、時に便通異常(下痢、軟便、便秘など)、腹部膨満感、腹痛などの腸運動異常に基づく症状、つまり過敏性腸症候群に似た症状を起こします。 

合併症としては、憩室出血や憩室炎が10~20%の頻度で発生し、強い腹痛、下痢、発熱、痛みを伴わない血便などを伴います。憩室炎は、憩室内に便がたまって起こるとされていますが、進行すると穿孔、穿孔性腹膜炎、狭窄による腸閉塞、周囲臓器との瘻孔形成を生じることがあります。大腸憩室の動脈が破れ大量出血を起こしたり、腹膜炎を起こす可能性があるため緊急の処置が必要です。

症状が進行すると大腸憩室が破裂し、他の臓器との間が穴でつながってしまう場合もあります。中でも大腸と膀胱の間に穴ができてしまうケースは珍しくなく、大腸内にあった細菌が膀胱に入り込むことで尿路感染症を発症するリスクがあります。

大腸憩室症を放置すると大腸内の細菌が血液により全身に運ばれ、重篤な敗血症を引き起こすケースもあります。

大腸憩室症の原因
大腸憩室症の原因は大腸憩室で細菌が繁殖し、出血、炎症することによってさまざまな症状を引き起こすものです。
大腸憩室の出血は憩室内の血管が脆くなることで起こり、大腸憩室の炎症は腸管内に圧力がかかり腸粘膜が破綻して細菌感染することで起こります。

大腸憩室ができる要因は体質や人種、遺伝などを要因とする先天性のものもありますが、その多くは後天性で食生活や加齢による大腸の衰えなども一因となります。肉が多い、食物繊維が少ないなどの偏った食生活は特に大腸憩室に影響を与えるとされています。食物繊維の摂取が少ないことは便秘にもつながり、便が硬くなると排出する際に大腸にかかる圧力が高まります。これによって腸管の弱い部分が押し出され、大腸憩室が作られます。近年日本でも食の欧米化が進んでいることも患者数が増加している一因とされています。


頻繁に解熱鎮痛剤を服用する、肥満、喫煙習慣なども大腸憩室の出血や炎症を引き起こす一因と言われています。

大腸憩室症の検査と診断
大腸憩室症の検査には身体診察、血液検査、超音波検査、CT検査、大腸カメラが用いられそれらの結果を踏まえて診断がくだされます。

特に血液検査では白血球やヘモグロビンなどの数値を確認し、大腸の炎症の強さや出血の状態を確認することができます。
さらに超音波検査やCT検査を用いることで炎症がどこまで広がっているか、穿孔の有無などを確認します。

大腸カメラは大腸の中を直接目で見ることができるため、出血点を見つけたり出血の状況を確認することはもちろん、必要に応じて止血の処置を行うこともできます。出血量が多い場合などを除き、大腸憩室が存在すると分かっている場合にはこの検査は行われません。
炎症が強く出ている時にカメラを入れることで腸管に穴が開いてしまい、症状が悪化するリスクがあるためです。基本的に大腸カメラは炎症が治まった後に用いられることが多いです。

出血や炎症などの合併症を伴わない場合には大腸カメラは行わず腹部CT検査、注腸造影検査のみで診断が行われることも珍しくありません。

大腸憩室症の治療方法
大腸憩室症の治療にはその症状に合わせた治療方針が選択されます。
炎症の程度が軽い場合には、安静と抗菌薬にくわえ、絶食など食事管理を徹底することで改善するケースが多いです。
薬での治療効果が見られない場合には外科的な治療が選択されます。

腸管に穴があいてしまっている場合、その破れた部分を手術によって取り除き、正常な部分とつなぎ合わせます。
炎症がひどく、つなぎ合わせるのが難しい場合には一時的な人口肛門を使用することもあります。症状が落ちついた段階で再度手術が行われます。
また、膿が溜まっている場合には取り出したり、敗れた穴が他の臓器とつながってしまった場合にはそれぞれ適した治療が選択されます。
出血がひどい場合には輸血を行ったり、出血源となる大腸を摘出しなければならないケースもあります。

大腸憩室症は再発が多いことでも知られており、一度発症すると入院が必要になる疾患です。専門的な医療機関を受診することも重要です。

大腸憩室症の初診に適した診療科目

大腸憩室症の専門外来


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