黒死病 コクシビョウ

初診に適した診療科目

黒死病はどんな病気?

黒死病とはペストの別名です。感染者の皮膚が内出血によって紫黒色になることに由来します。
ペストは、歴史上でも致死率が高く、広範囲に大流行を起こす原因として現れています。
14世紀にはヨーロッパを中心に世界中で大流行し、推計5,000万人もの命が奪われています。

日本では1926年以降患者の報告はありませんが、現在でもアフリカなどでは人の症例が確認されています。

主な症状

人がペストに感染すると、通常3~7日の潜伏期間を経てインフルエンザのような症状が出ます。
典型的な症状は、突然に発症する発熱、悪寒、頭痛、体幹痛、虚弱、嘔吐、吐き気です。
ペストには、感染経路の違いから、腺ペスト、ペスト敗血症、肺ペストの3つの形式がありますが
患者の80~90%は腺ペストです腺ペストではノミの刺し口に近いリンパ節が腫れることが特徴です。

主な原因

黒死病(ペスト)はペスト菌による感染症であり、ペスト菌は通常ネズミなどげっ歯類からノミを介して感染します。また、感染したヒトや動物の排泄物から傷口や粘膜を介して感染することや、飛沫によって感染することもあります。
ヒトへの感染経路はノミによる感染が78%、ペットを含む小動物からの感染が20%となっています。

主な検査と診断

黒死病の診断と確定には検査室での検査が必要です。
横痃内の液体、または、血液や痰の検体からペスト菌を同定します。

他に抗原検出、ペスト菌特異的遺伝子のPCR検出も行います。
感染症法では一類感染症に定められており、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出ることが義務づけられています。

主な治療方法

黒死病と診断されたら、特定感染症指定医療機関か第一種感染症指定医療機関に入院します。
治療しなければ急速に致命的な状態となるので、早期診断と治療が救命と合併症の抑制のために不可欠です。抗生剤の投与と全身管理を行い、治療していきます。

退院は血液や尿からペスト菌が分離されないことを確認してから許可されます。