ペスト ペスト

初診に適した診療科目

ペストはどんな病気?

ペストとは黒死病とも呼ばれ、ねずみやのみなどに媒介され高い致死率と感染力でかなり恐れられていました。東南アジアではベトナム、ミャンマー、南米ではボリビア、ペルー、アフリカではケニア、モザンビークなどで毎年1000人位の発症者がいます。それらの地域に渡航するときは予防接種が推奨されます。また抗生物質してはストレプトマイシンなどが有効です。

主な症状

ペストの症状としては次のようなものがあげられます。まず最初に全身の倦怠感に始まり、寒気がし、高熱がでます。その後は感染の仕方によって異なる状態になります。最も多い症例としては、リンパ節がはれあがった後、痛み、心臓の衰弱により死に至ります。細菌が血液によって全身にまわると、皮膚のあちこちに出血斑ができて死に至ります。さらに気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。

主な原因

人類史上最も致死率の高かった黒死病とも呼ばれたペストの原因は、グラム陰性の通性嫌気性細菌の感染によるものです。その細菌はネズミなどに感染しそのネズミから血を吸ったノミが、再び人間の血を吸うことによって感染が広がります。人間の間で流行する前にネズミなどの間で大流行することが多いため、ネズミの大量死などが発覚したときなどは注意が喚起されます。

主な検査と診断

ペストの検査方法は、検査材料でわけると主に二つあります。一つ目は、血清から赤血球凝縮反応によるエンペロープ抗原に対する抗原を検出する方法です。二つ目は、血液やリンパ節腫吸引物、組織、痰などからの分離と同定による病原体の検出、蛍光抗体法によるエンペロープ抗原の検出、そしてPCR法による病原体の遺伝子の検出が挙げられます。

主な治療方法

ペストの治療法は、一般的には抗菌薬がよく効くとされています。ストレプトマイシン、テトラサイクリン、ニューキノロン系薬剤などの抗菌薬により治療を行います。日本では、治療薬の中で保険が適用されているのは、ストレプトマイシンだけです。重い症状の場合も、発症後8~24時間以内に治療を開始すれば予後は良好です。手遅れにならないように病気の早期に治療を開始することが重要です。