うつ病はどんな病気?

うつという気分の落ち込みは脳の疲れにより生じますが、脳の疲労が限度を超え簡単には正常に戻らなくなった状態をうつ病といいます。
うつ病にかかると、不安や悲しみ、焦りの気持ちがでてきて、急に涙が出たり、もう何もいいことはないと落ち込み、眠れなくなったりします。そして頭が上手く回らず、仕事に支障をきたし、やる気を失ってしまうこともあります。簡単には元に戻らないため、心療内科・精神科への通院による治療が必要になります。

主な症状

うつ病には様々な症状がありますが、気分が落ち込む抑うつ、漠然とした不安感、何もやる気がしない意欲低下が3大症状といわれております。特に抑うつについて朝や午前中の気分の落ち込みがひどい場合が多いです。ほとんどのケースで「夜眠れない」といった不眠も合併します。また頭痛・動悸・嘔吐・下痢といった身体の症状が主体となるうつ病もあるため、内科に通院し続け見逃されるケースもあります。

主な原因

うつ病の原因は一つだけでなく、複数の要因によります。ストレスを過剰に受けることにより脳内神経伝達物質のセロトニン、ノルアドレナリン機能が低下することで起こる病気とされておりますが、本人の性格的な要因や遺伝要因も大きく関与します。ストレスとして大きなものは、引越し、転勤、異動、近しい人の死、人間関係の悪化、癌などの身体の病気、一般的に嬉しいとされる結婚なども要因になることがあります。休まず頑張ることを美徳とする社会的風潮や背景も、発症を促す要因となります。

主な検査と診断

うつ病の診断は基本的に医師による問診によって行われます。抑うつ症状がはっきりしない身体症状だけのうつ病や、甲状腺疾患や癌などを起因としたうつ病もあるため正確な診断をするには、十分な経験と慎重さが求められます。また他の双極性障害との鑑別や、うつの背景にある精神疾患のピックアップも重要になります(不安障害、発達障害など)。よって1回の来院で病名を確定できない場合も多いです。

主な治療方法

うつ病の根幹は「脳の疲れ」です。よって治療で最も重要なのは「脳を休ませる」ことです。脳の休養を助ける手段として抗うつ剤や睡眠薬などの薬物療法も行います。また専門の心理士によるカウンセリングや認知行動療法、マインドフルネスなどの心理療法を併用することもあります。治療期間については、最低3か月程度かかることが多いです。

うつ病の初診に適した診療科目