気管支拡張症

初診に適した診療科目

気管支拡張症はどんな病気?

気管支拡張症とは、気管支壁や気管支の周辺の組織が繊維化することによって、気管支が不可逆的に拡張を起こしてしまう病気です。主な症状は咳と痰で血痰や喀血がみられることもあります。
気管支が拡張すると、気管支の浄化作用が低下し、痰がたまって細菌などが繁殖しやすく、気管支炎や肺炎にかかりやすくなります。感染を繰り返すことによって病状が進むため、感染対策を行うことが大切です。

主な症状

気管支拡張症の症状は、長期間にわたる咳や痰が主なものとなります。細菌の感染を伴う場合には発熱を伴い、血痰や喀血もしばしばみられます。
重症になると爪の先が手のひら側に曲がって大きくなる『ばち状指』が見られます。
末期では、呼吸不全を起こし多血症を起こすことがあり、多血症になると動脈硬化などの病気を併発しやすくなります。

主な原因

気管支拡張症は、気管支が非可逆的に拡張してしまう病気です。原因は主に3つ挙げられます。
まず1つ目に、出生した時から気管支が拡張されている先天性のものです。
2つ目に、気管支繊毛運動の機能に異常があったり、幼少時期の重傷呼吸器感染症などの後天性のものです。
そして最後に、肺結核や肺化膿症など他の疾患に伴う症状です。

主な検査と診断

気管支拡張症の検査方法は、まず患者の自覚症状を聞くことと、患者の過去の病気や健康状態を聞くことから始まります。
そして画像診断や血液検査、喀痰検査、呼吸機能検査をします。血液検査のときには動脈血ガス分析検査も行います。気管支造影検査は今では殆ど使われていません。

主な治療方法

気管支拡張症は一度拡張した気管支は、もう元には戻らないので、治療法の中心は対症療法や原因疾患の治療が主になってきます。
気管の内部に痰を溜めないように、痰の喀出を促すために喀痰調節薬の投与、吸入療法も行います。
もしも感染症を合併した時には、抗生物質を内服・注射します。マクロライド系の抗生物質を少量内服することで、症状が抑えられます。