アトピー性咳漱アトピーセイガイソウ

アトピー性咳漱はどんな病気?
アトピー性咳漱とは、痰のない乾いた咳が長く続き、気管支拡張薬が効かない症状の病気です。
呼吸困難発作が無く、咳だけが長く続く点が気管支喘息とは異なります。のどにかゆみやイガイガ感があり、乾いた咳が症状として現れます。
咳を誘発する要因としてはエアコン、タバコの煙、会話、運動、精神的緊張などが挙げられます。
就寝時に症状が現れることが最も多く、次いで深夜から早朝、起床時、早朝にも見られます。
気道にある咳受容体の感受性が強くなっていることが原因とされています。わずかな刺激によって咳が誘発される点がアトピー性咳漱の特徴と言えます。
将来的な喘息の発症や呼吸機能障害へ進行するケースはほぼないとされています。

アトピー性咳漱は症状が類似している咳喘息とよく比較されますが、気管支拡張薬の効果が見られないのがアトピー性咳漱の特徴と言えます。

治療にはヒスタミンH1受容体拮抗薬が用いられ、有効率は約60%とされています。吸入ステロイド薬なども必要に応じて用いられます。


アトピー性咳漱の症状
アトピー性咳漱を発症すると、喘鳴や呼吸困難はなく、痰のからまない乾いた咳が続く点が唯一の症状です。
コンコンといった乾いた咳で、咽頭の掻痒感も特徴です。咳は会話時、長電話時、運動時、笑った時などによく起こり、タバコの煙、香水の匂い、ほこりなどもきっかけになります。
冷気を吸った時や電車に乗った時などに咳込むことも多いです。
ヒューヒュー、ゼーゼーなどの呼吸音や呼吸困難は見られません。時間帯としては夜から朝にかけて咳が多くなり、季節の変わり目、梅雨時、台風シーズンなどにも症状が現れやすくなります。数か月~1年以上と長期に渡って症状が現れます。

咳喘息とは異なり喘息には移行しにくいとされており、これはアトピー性咳漱は太い気管部分の炎症が中心となっており、細い気管支まで炎症が広がっていくことが少ないためです。
症状だけを見て咳喘息と区別することは難しい場合も多いですが、治療法も咳喘息とは異なるため適切な診断を受けることも重要です。


アトピー性咳漱の原因
アトピー性咳漱を発症する詳細な原因は不明ですが、気管支喘息以外のアレルギー疾患の人や、アレルギー検査で陽性の出た人に発症が多い傾向があるとされています。
アトピー性皮膚炎を起こしたことがある人や家族にアレルギー体質の人がいる場合にも当てはまります。
また、ほぼすべてのケースで鼻炎を合併しており、20代~40代の女性に発症が多い傾向があります。

アトピー性咳漱は、咳受容体の感受性が亢進することでわずかな刺激によって咳が誘発されます。
咳受容体は気道に存在し、刺激を受けることで脳に信号が送られて咳がでます。
感度が上がることでタバコの煙、冷気を吸った時など、通常では咳が出ないような変化でも咳が生じるようになります。
咳の本来の働きは咳反射と呼ばれ、体の防御機能の一種で、気道に入りこんだ異物を外に出そうとする役割を果たしています。
アトピー性咳漱を発症すると、本来咳が生じないような刺激で咳症状が現れるため、長く症状が継続する点が特徴です。

アトピー性咳漱の検査と診断
アトピー性咳漱は簡易診断基準を用いながら、胸部レントゲン検査、血液検査、皮膚テスト、呼吸機能検査などの検査を行い総合的に診断がくだされます。
診断基準の項目としては、喘鳴や呼吸困難を伴わない乾いた咳が3週間以上持続する、気管支拡張薬が効果を示さない、ヒスタミンH1受容体拮抗薬やステロイド薬にて咳嗽が消失などが挙げられます。胸部レントゲン検査は、症状である咳が他の結核や肺がんなどによるものである可能性を否定するために行われます。
また血液検査、皮膚テストはアトピー素因を調べる目的で末梢血好酸球数、総IgE値、特異的IgE抗体などの数値を確認します。
呼吸機能検査では呼吸器速度、呼気量を調べ、喘息や咳喘息の特徴と比較することで診断の助けとなります。

アトピー性咳漱は治療的診断が行われるケースが多く、主に咳喘息に有効な気管支拡張薬の効果が認められない、かつヒスタミンH1受容体拮抗薬やステロイド薬の効果が認められた場合に診断がくだされます。


アトピー性咳漱の治療方法
アトピー性咳漱の治療には抗アレルギー剤のヒスタミンH1拮抗薬、吸入ステロイド薬が有効です。
咳喘息などに用いられる気管支拡張薬は効かないのが特徴です。ヒスタミンH1拮抗薬の有効率は約60%とされており、まず初めに選択される薬剤と言えます。
アトピー性咳嗽はアレルギー反応によってヒスタミンが多く分泌される特徴があり、その過剰な分泌を抑えるためにヒスタミンH1拮抗薬が用いられます。
ヒスタミンH1受容体拮抗薬で改善が見られない場合に、追加する形で吸入ステロイド薬が用いられます。
ステロイドには抗炎症作用があり、吸入剤の場合は炎症を起こしている気道に効果が期待できます。
二つの薬剤を用いても改善が見られない場合には経口ステロイド療法を1~2週間程度行います。
アトピー性咳漱に対し経口ステロイド療法が行われるケースはまれですが、一時的な使用が検討される場合があります。

治療が終了してからも体調の変化に注意する必要があります。

アトピー性咳漱は治療によって改善した後にも再発するリスクが高いとされています。

アトピー性咳漱の初診に適した診療科目

アトピー性咳漱の専門外来


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