声帯結節 セイタイケッセツ

初診に適した診療科目

声帯結節はどんな病気?

声帯結節とは、喉頭の中の声帯に生じる「ペンだこ」のような隆起のことです。声を出す時に毎秒約150回ほど左右の声帯はお互いにぶつかりますが、もっとも強くぶつかりやすい声帯の中央部分に段々「たこ」ができてくることがあります。基本的には両側にできることが多いです。職業的に声をよく使う方や学童期の男児に好発します。歌手、ナレーター、エアロビクスのインストラクター、保育園の先生などの職業に就いている人はかかりやすい病気です。

主な症状

声帯結節はほとんどの場合、普段の症状はありません。しかし、隆起した部分は発声時の接触が強くなりやすいので、声を使った後に声帯炎が起こりやすくなり、少し声を使っただけでもすぐ声がかすれてくるようになります。炎症が起こっているときは、のどに違和感や痛みを感じたりします。結節が大きくなってくると、普段でも声がかすれるようになってきます。

主な原因

声を出すときに声帯は高速で振動し、物理的な刺激が加わります。強い刺激が同じ場所に頻回に加わり続けると、深部の組織を守ろうとする反応で粘膜の表面が肥厚してきます。これが結節と呼ばれるものです。声帯の中央部分は左右の声帯が最もぶつかりやすく、基本的に結節は左右の声帯中央に生じ、大きくなっていきます。

主な検査と診断

声帯結節は喉頭ファイバースコープとストロボスコープによる検査で診断されます。喉頭ファイバースコープは胃カメラよりも細い内視鏡を鼻から挿入して直接声帯を観察する検査です。ファイバースコープで隆起の程度や表面の性状を観察した後、そのままストロボスコープに切り替えて隆起部分や周辺の硬さの評価を行います。音声機能検査と音響分析も行い、声の状態を評価します。

主な治療方法

大きい結節は手術治療が必要ですが、声帯結節の治療において最も大事なのは、音声治療(音声リハビリ)です。声帯結節は声を多用する人にできやすいですが、それに加えてのどに力を入れて話す癖があるなど、発声方法に問題のある場合が多いです。声帯結節ができやすい癖をとらない限りは病状が進行することが多く、たとえ手術治療を行ったとしても、半数以上が再発します。