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今回は『ナイロンタオルの使用が原因?「機械的色素沈着」とは?』をご紹介させて頂きます。

「きれい好きな人」は気をつけて…

体をきれいにしているつもりでも、実は「色素沈着」を引き起こす原因を作っていることがあります。ナイロンタオルやボディブラシを使って、毎日ゴシゴシ体を洗い続けると、その刺激(摩擦)によって、こすっていた部分が黒ずんできます。

これは「機械的色素沈着」という症状です。「摩擦黒皮症」あるいは「摩擦メラノーシス」とも呼ばれることもあります。タオルによって起こることから「タオル黒皮症」や「タオルメラノーシス」との別名も存在します。

毎日のゴシゴシ磨きで「黒ずみ」ができる…

機械的色素沈着は、入浴時に体を洗うとき、垢すりなどに用いるナイロンタオルやボディブラシなど固い素材のもので体をこすると、その刺激がくり返されることで、こすった部分にだんだん「黒ずみ」ができてしまう症状です。

黒ずみは、全身のどこにでも起こる可能性がありますが、
(1)鎖骨
(2)肋骨(あばら骨)
(3)脊柱骨(背骨)
など、体の突き出た部分によく見られます。痛みなどの自覚症状はありません。この症状は、20~30代でやせ形の女性に多くみられるといわれています。

弱い刺激でも「黒ずみ」は起こる

私たち人間は、外からの強い刺激があると、肌を守るために「メラノサイト」という色素細胞が「メラニン色素」をたくさん作ります。メラニン色素は、チロシナーゼという酵素であるため皮膚が黒くなります。

黒くなった肌は、通常であれば、肌のターンオーバー(新しい肌細胞が表面に上がり、古くなった角質が剥がれ落ちるサイクル)とともに、色素が排出されてなくなります。しかし、皮膚の奥深くに残ると黒い色素が沈着します。

メラノサイトは、皮膚が受ける刺激に応じてメラニンの産生量を調節します。色素沈着が起こる場合、皮膚への刺激は、強さよりは「くり返し続けられる」ことが大きく影響しています。執拗な刺激に耐えられるようメラニンは生産され、皮膚は適応力を発揮した結果、色素沈着が起こっています。

黒ずみは「どうやって」消すの?

機械的色素沈着では、ナイロンタオルの使用をやめて、ゴシゴシと強い摩擦で洗うのを改めると、黒ずみは少しずつ薄く(淡く)なります。日焼けなどの色素沈着とくらべて、メラニンが真皮(皮膚の奥にある層)にまで入り込んでしまうのが、機械的色素沈着の特徴です。

真皮はターンオーバーしないため、入り込んだメラニンは長い期間居続けてしまいます。機械的色素沈着では、黒ずみがなかなか消えないのはそのためです。改善までに多くの時間がかかります。

真皮に存在する「マクロファージ」という細胞が、メラニンを食べてくれるので、黒ずみは少しずつ減っていくでしょう。心配なときは「皮膚科」の医師に相談しましょう。

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