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今回は『水仕事は気をつけて!「主婦湿疹」とは?』をご紹介させて頂きます。

あかぎれとは「違う」症状

寒くなってくると、お肌の乾燥が気になります。主婦、調理師、美容師など、日常的に水仕事が欠かせない人は「手荒れ」が心配でしょう。指先や関節のシワにそって、皮膚の奥までひびが入って割れると、出血とともに強い痛みが起こる、これは「あかぎれ」です。

あかぎれに似た症状に、加えて
(1)手の全体が荒れている
(2)激しい「かゆみ」を感じる
(3)手水疱(水ぶくれ)
が見られるときは「主婦湿疹」の疑いが考えられるでしょう。

夏にも発症する「手肌」荒れ

ひび割れやあかぎれは、肌の乾燥が原因で起こる手肌のトラブルですが、「主婦湿疹」は肌のバリア機能が低下したことで起こる「皮膚の炎症」です。20~30代の主婦の方に多く発症することから「主婦湿疹」と名づけられたのでしょう。症状が、手に限られていることから「手湿疹」と呼ばれることもあります。

手荒れといえば、冬場にあらわれる印象が強くありますが、主婦湿疹は、季節に関わらず一年中通して発症するのが特徴です。なかでも「たくさん汗をかく暑い時期」と「水の冷たい寒い時期」には、症状が起こりやすく、さらに再発しやすいため注意が必要です。

症状は「手全体」にあらわれる

主婦湿疹は、ひび割れやあかぎれと症状が一見似ている(あるいは一部が共通している)ように思われます。しかし、主婦湿疹の場合、手荒れの状態が指や手全体に広がっていることが、病気を見分ける目安になります。主婦疾患の症状は次のとおりです。

・手の皮膚が赤くなる
・手全体がカサカサ乾燥する
・ひび割れが複数箇所で見られる
・乾燥した箇所で、皮がむける
・手全体に、強いかゆみが起こる
・水疱ができたり、潰れたりがくり返される

天然の「バリア機能の低下」が原因

私たち人間の皮膚は、汗腺と皮脂膜で覆われおり、それぞれ汗と皮脂を分泌しながら、2つが混じり合って「天然の保湿クリーム」の役割を果し、皮膚を刺激や乾燥から守っています。

しかし、頻繁に水仕事をするうちに、お湯、洗剤、石けんなどにたくさん触れると、天然の保湿クリーム(汗腺と皮脂膜)は落ちてしまい、皮膚を保護するバリア機能が低下してしまいます。バリア機能が低下した皮膚は、肌に触れるわずかな刺激にも過剰に反応するようになり、さらに洗剤などが肌の深い部分にまで侵入し、主婦湿疹が発症します。

また、
(1)紙、段ボール、ゴム、布に触れる機会の多い人
(2)アトピー体質で肌が乾燥しやすい人
(3)加齢によって皮脂の分泌量が少ない人
にも手指の「バリア機能低下」が多く見られます。お肌の変化に注意が必要です。

一度は「皮膚科」を受診しましょう

主婦湿疹は、初期症状の段階からでも放置すると、皮膚のバリア機能低下はさらに進み、肌はどんどん刺激に弱くなってしまいます。かゆみが激しくなり、炎症が悪化します。

主婦湿疹は、症状によって治療方法や治療薬が異なることがあります。自己判断で市販の薬に頼るまえに、一度「皮膚科」の医師に相談しましょう。また、水仕事を休みわけにはいかない人は、なるべく手袋を着ける習慣を心がけます。

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