西暦2000年が始まる11日前に、宇都宮市の南東の外れ瑞穂野の地に、当院は開院しました。
当時、周囲は田畑と山林で、ウサギやタヌキ、雉の夫婦や山鳩がたくさんいて自然がいっぱいでした。こんなところで開業して、果たしてやっていけるのかと心配したものです。
あれから約十六年の月日が経ち、山林の木々は切り倒されて、近くには、団地ができて大きな商業施設も開発されました。田畑は住宅に代わり、後継者のいない田畑は太陽光発電施設に変わろうとしています。
あの頃のウサギやタヌキ達はいったいどこに行ってしまったのでしょうか。自治医大病院勤務医時代に手術した患者さんが時々やってきます。開院当時には小さかった子供たちがそれぞれに大きくなって、時には子供を連れてやってくるようになりました。
地域に医業を営む者にとっては、これ以上の喜びはありません。これからも、微力ながら、地域にしっかり根を下ろした医療を行っていきたいと思います。