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医療法人社団慈京会
五十子クリニック

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家庭血圧

血圧には病院やクリニックで測る「診療室血圧」と「家庭血圧」があります。
病院などでは緊張から数値が高めに1030mmHgもの差があることがあります。家庭血圧はリラックスした状態で測定でき安定しているので、自分の血圧水準や、その変化を認識することができます。

家庭血圧の測り方

基本は毎日同じ時間に同じ条件で測定することです。毎朝起床後、朝食前に測るのが最適とされています。
朝と晩など1日に数回測定することで血圧変動の傾向をつかめます。
市販の血圧計は大きく分けて上腕で測定する機種と手首で測る機種があり、一般的なものは4千円前後で売られています。

日本高血圧学会は、より正確な測定が必要な人には上腕タイプを推奨しており、健康づくりのために家庭血圧を測定する習慣を勧めています。実際に毎日血圧を測ると、塩辛いものをたくさん食べたり、運動不足が続いたりした時に、血圧が上がるのが分かるようになります。

また最近発表された睡眠時間と病気に関する複数の調査によると、睡眠時間が短いほど糖尿病、心臓血管障害などによる死亡率が高くなることがわかってきています。
最高血圧135Hg以上、最低血圧85Hg以上が続いたら医療機関などで診療を受けるのがよいでしょう。
飲酒過多や慢性的疲労での高血圧は、休肝日を設けたりしっかりとした睡眠をを心がけたいです。

女性の更年期以降の上昇や、ダイエットのしすぎによる栄養不足からの低血圧など、健康リスクのサインとなりますので注意が必要です。

現在、国内での高血圧患者は4,000万人とも言われています。健康な時からの血圧測定の習慣は、自分の体の状態を知る良い機会になります。血圧が変化したときの不調を記録することで、さまざまな病気を予防できる可能性が高まります。


*2012年8月25日(土)日本経済新聞掲載記事より