ハンチントン病 ハンチントンビョウ

初診に適した診療科目

ハンチントン病はどんな病気?

ハンチントン病とは脳内の線条体の細胞が失われることによって起きる病気で、通常の場合ですと35歳以降の中年期に発症します。日本人の場合100万人に1~6人とたいへん稀な病気ですが、白人に多く黒人には最も発症率が低いとされています。常染色体優性遺伝により発症する病気で、舞踏運動と呼ばれている以上運動や認知症、人格の変化などを起こします。

主な症状

ハンチントン病の症状は、発症年齢によって違いがあり20歳以下の若年発症の場合はおよそ50%で筋強剛を示し知能低下が著しく、ジストニアやミオクローヌス及び痙攣発作を伴い進行が速いのが特徴です。中年期の発症の場合、初期は不随意運動から始まりやがて知能障害が生じ、最終的に10年から20年の経過で寝たきりとなり感染症や誤嚥及び窒息その他の合併症で死亡します。

主な原因

ハンチントン病の原因は、染色体異常によって発症するものです。患者の遺伝子の中で、第4染色体の一部の遺伝子について特定の変化が起こっていることが確認されています。遺伝子を構成する4種の核酸の繰り返しの配列が、本来のものに比べて以上に長く伸びていることが確認できます。ただし、この遺伝子の染色体異常についての要因は現在も研究中です。

主な検査と診断

ハンチントン病の検査方法は、CTによる頭部断層撮影やMRI検査が有効です。遺伝子により発症することがわかっているので問診による家族内発症の有無や遺伝性が100%の病気のため遺伝歴でおおよその診断がつくのですが、遺伝歴がわからない場合に遺伝子診断を行い確定診断を行います。問診でも舞踏様運動のような不要な動作が見られます。

主な治療方法

ハンチントン病の本質的な治療法は今のところ存在しておらず、対症療法が中心となります。症状のひとつである舞踏運動と呼ばれる不随意運動に対しては、ハロペリドール、チアプリドなどの抗精神病薬を、性格変化や認知症、妄想、幻覚といった精神症状に対してはハロペリドール、クロルプロマジンなどの抗精神病薬を試みます。パーキンソン病と異なり、L-dopaで増悪する点には注意が必要です。