顕在性胎児ジストレス ケンザイセイタイジジストレス

初診に適した診療科目

顕在性胎児ジストレスはどんな病気?

顕在性胎児ジストレスとは、胎児の環境が悪化して呼吸および循環機能に障害が出て、低酸素とアシドーシスの状態になり、胎児心拍数基線の以上が見られた状態を言います。主な原因に、母体が麻酔や降圧薬投与等によって、低血圧状態になり循環血液量が減少するからです。顕在性胎児ジストレスになった場合には、急速な分娩が必要であり、ほとんどが帝王切開術となります。

主な症状

顕在性胎児ジストレスは胎児仮死と呼ばれた病気で、低酸素などで胎児の呼吸や循環機能に障害が起きた状態を言います。症状は妊娠中や分娩中にも見られ、胎児の一過性頻脈、筋緊張による胎動の抑制などがあります。また、慢性的な低酸素状態から腎臓への血流が減って尿も減るため、羊水の量が減ります。これらは母体の尿検査などで判別することができます。

主な原因

顕在性胎児ジストレス(かつて「胎児仮死」と呼ばれていたもの)の原因は大きく分けて5つあります。一つは、母体が低血圧状態になることによるものです。また、子宮や陣痛の異常、また臍帯(さいたい)異常や臍帯圧迫といったことも原因となり得る他、胎児に貧血や心疾患などの異常がある場合や、胎盤に異常がある場合、それが原因となることもあります。

主な検査と診断

顕在性胎児ジストレスの主要な検査方法は多岐に渡ります。この顕在性胎児ジストレスの検査では、超音波を用いた断層画像で胎児の健康状態を確認します。又、この超音波の検査で胎児の低酸素の状態を調べる事に加え、採血で血液の状態も確認します。そして、胎盤の機能検査を用いて胎児の副腎、肝臓、胎盤など各臓器の機能を調べる事も行います。

主な治療方法

分娩前に起きた顕在性胎児ジストレスは超音波などによって胎内の状況を観察し、胎児ジストレスを起こした原因疾患の治療を行いますが、改善が見られない場合には帝王切開で胎児を取り出します。一方、分娩時に起きた場合には母体に酸素吸入を行ったり、臍帯の巻きつきが原因の場合は母体の体位変換などの治療法を試みます。それでも改善されないと、帝王切開に切り換えで出産させます。