急速性進行性糸球体腎炎 キュウソクセイシンコウセイシキュウタイジンエン

初診に適した診療科目

急速性進行性糸球体腎炎はどんな病気?

急速性進行性糸球体腎炎という病があるのですが、これは急速に進行する肝不全症候群の事です。数週間から数ヶ月の期間を経て、肝機能障害が急速に進行してしまい、血尿や肝炎性尿などの症状が出ます。半月体系性が認められて、壊死性半月体形成性糸球体肝炎が典型的となっています。症状としては、基底膜の傷害により、大量の蛋白が流出して、ネフローゼ症候群を合併する事が多いです。

主な症状

急速性進行性糸球体腎炎の症状として、肉眼的血尿が最も多く現れます。病状が初めのうちによく見られるのは、尿が出なくなる無尿、普段より明らかに量が少なくなる乏尿です。また、全身のむくみや血圧の上昇もあります。そのほかに全身の症状としては、発熱、倦怠感、関節の痛み、筋肉の痛みなどが現れ、病気が進むと喀血する患者さんもいます。

主な原因

急速性進行性糸球体腎炎の詳しい原因は明らかとなっていませんが、腎臓の糸球体を中心に発生する炎症は、抗好中球細胞質抗体・ANCAや抗糸球体基底膜抗体などに関連しているということが判ってきました。こられ免疫系の異常が腎臓を含む全身の小型の血管に強い炎症を引き起こします。また、感染症に伴い発生する場合や薬剤にとっても発症することがあります。

主な検査と診断

数週間から数ヶ月の経過で血尿や貧血の症状が見られた際には、急速性進行性糸球体腎炎を疑った検査が行われます。検査方法としては、血液検査、尿検査、CTを用いた画像検査があり、細かな病型診断として腎生検が行われます。血液検査では、腎機能障害を反映して尿素窒素やクレアチニンの上昇およびANCAがみられ、尿検査では血尿や蛋白尿などの所見が、CTでは腎の腫大がみられます。

主な治療方法

急速性進行性糸球体腎炎の治療法としてはまず、入院と安静が第一になります。日和見感染が多く、十分な環境への配慮が必要になります。薬剤療法では、副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤による治療が中心となります。炎症が高度な場合や、他臓器の病変を伴う場合にはステロイドパルス療法が行われることがあります。抗血小板薬や抗凝固薬を併用する場合は、出血に注意が必要となります。