エルシニア腸炎 エルシニアチョウエン

エルシニア腸炎はどんな病気?

エルシニア腸炎は、犬・猫・豚・牛などの哺乳類動物に寄生している球桿菌エルシニア菌に感染しておきる食中毒です。菌をもった動物の糞便に汚染された食物や水を摂取することで感染します。下痢・腹痛・発熱・嘔吐などの症状があらわれます。成人よりも小児が感染しやすく、保育所や学校で集団感染する場合もあります。治療は、食事制限や水分摂取などの対処療法で自然治癒を待ちます。

主な症状

エルシニア腸炎は発症すると、嘔吐と水溶性の下痢を伴う腹痛を起こし、頭痛や寒気とともに発熱の症状が出ます。右の下腹部に痛みを感じることが多いため、盲腸と思い違いをすることもあります。下痢の症状が長引くことが多く、長い時は2週間ほど下痢の症状に悩まされます。下痢が治まっても関節炎による関節痛や、発疹がしばらく残ることがあります。

主な原因

エルシニア腸炎は、牛、豚、羊、馬、犬、猫、モルモットなどの哺乳類、カエル、魚類などから検出されるエルシニア菌が、人に腸管感染することによって引き起こされる病気です。菌を保有している動物の糞便に汚染された食物や水を摂取することによる腸管感染、ペットとのキスや餌の口移しなどによる動物からの経口感染が原因として挙げられます。

主な検査と診断

エルシニア腸炎の検査方法は、問診と理学的所見後に、腹部超音波検査及び腹部CT検査による画像診断によって行われます。問診だけでは右下腹部腹痛の原因が特定できず、虫垂炎との鑑別も難しい為、画像診断が必要となります。基本的に便培養からエルシニアを検出しますが、血液、髄液、リンパ節といった菌の生息しない部位からは、簡単な培養により分離が可能です。場合によっては、抗体検査も行います。

主な治療方法

エルシニア腸炎の治療法として、感染による炎症の部類としては自然の治癒による傾向が高いので、食事の制限をして、水分を多くとって安静にする事で次第に治癒していきます。時々重症化する傾向があるので、内服による抗生剤を使う治療を行います。腎不全を合併している場合は、水や電解質の分離による管理を行う事となって、まれに人工の透析が必要です。