先天性再生不良性貧血

初診に適した診療科目

先天性再生不良性貧血はどんな病気?

先天性再生不良性貧血は、骨髄の機能低が原因で起こる貧血の一種です。造血幹細胞の減少により血球が十分につくられず、息切れや立ちくらみなどの貧血症状が現れます。遺伝子の異常が原因であり、治療が難しい病気です。主な治療法としては、蛋白同化ホルモンなどの薬物療法や免疫抑制療法などがあります。最近は骨髄移植の技術が進歩し、生存率が改善しました。

主な症状

一般的な貧血の症状とされる目眩や息切れも動悸など、比較的軽いものの場合は、栄養価の高い食べ物を意識的に摂取するなどの食事療法によって改善が見られるケースが殆んどです。その一方で、赤血球以外にも、骨髄機能の低下などに起因する先天性再生不良性貧血といった、重い症状のケースもあります。この場合食事療法意外にも、造血手術や骨髄移植などの対応が必要となります。

主な原因

再生不良性貧血とは、造血幹細胞が減少することにより血球が産生できなくなる疾患です。先天性再生不良性貧血の原因として最も多いのはFanconi貧血と呼ばれるものです。これは、常染色体の劣性遺伝疾患で、骨髄低形成と奇形(皮膚の色素沈着、低身長、性腺機能不全、悪性腫瘍の発生)を特徴とします。幼児・学童期に再生不良性貧血になります。

主な検査と診断

先天性再生不良性貧血の基本的な検査方法は、血液検査と骨髄検査です。血液検査では赤血球や白血球などの血球が全て減少していることを確認し、骨髄検査では骨髄の細胞密度を確認します。全身の骨髄を検査するためにMRI検査が行われる場合もあります。また、先天性再生不良性貧血では遺伝子の検査や染色体検査で異常が認められることもあります。

主な治療方法

先天性再生不良性貧血の治療法は大きくふたつに分けられます。一つ目は造血回復を目指す治療で、骨髄移植、免疫抑制療法、タンパク同化ステロイドなどがあります。二つ目は、支持療法で、赤血球、血小板の輸血、G-CSFの投与、エリスロポエチンの投与などがあります。骨髄移植は重症例で40歳未満、HLA適合同胞ドナーがいる場合に適応となります。