慢性放射性皮膚炎 マンセイホウシャセイヒフエン

初診に適した診療科目

慢性放射性皮膚炎はどんな病気?

慢性放射性皮膚炎は、少量の放射線を長期間浴びたことによって起こる皮膚障害のことを指します。悪性腫瘍の治療や仕事で放射線を扱う人にみられる病気です。皮膚の乾燥や萎縮、皮膚が薄くなることで毛細血管が透けて見えるといった症状が現れます。また、色素沈着や傷が治りにくくなり、皮膚がんを発症する場合もあります。軟膏療法や手術により治療を行ないます。

主な症状

慢性放射性皮膚炎にあらわれる症状は、軽度の場合、放射線を浴びた部分が局所的に腫れて赤くなります。軽い痛みを伴なうこともあり、その後、褐色の色素沈着が残ります。中度の場合は、患部が腫れて水疱やびらんとなって強い痛みを伴い、色素沈着や脱毛することもあります。重症になると、皮膚の壊死や潰瘍ができ、皮膚がんに進行する場合もあります。

主な原因

慢性放射性皮膚炎は放射線照射が原因で起こる皮膚障害です。主に骨折の治療や各種透視検査などでX線束に手を入れたり、放射性物質を一時的に大量に浴びることで起きます。その他にも、悪性腫瘍の治療時や放射線治療でラジウムなど治療用放射性同位元素の不適切な操作や放射線被曝による事故など少量の放射線を繰り返し被曝することも原因となります。

主な検査と診断

慢性放射性皮膚炎の主な検査方法は、この疾患ではなく皮膚がんの可能性を除いての検査が必要であるために、部分的に皮膚を採取して専門的な病理組織の検査をする必要があります。そして、慢性放射性皮膚炎の検査方法としては、急性の放射線皮膚炎は、この検査で疾患の有無を即座に確認でき、慢性の放射線皮膚炎の場合も、放射線に被曝していないかどうかを確認して検査を行います。

主な治療方法

慢性放射性皮膚炎の治療法は、びらんや潰瘍が出来てしまった場合、傷口の洗浄は、患部が染みて痛みを訴える可能性があるので、生理的食塩水で行います。特にこれらの症状が見られない場合は、経過観察をしても良いですが、症状が悪化し治りにくい場合や、皮膚が隆起してきた場合は、悪性化してしまうことも考慮して、皮膚切除、植皮手術などを行います。その他、侵出液が出ている場合は、被覆材を使用し、吸収させます。