縦隔血腫

初診に適した診療科目

縦隔血腫はどんな病気?

縦隔血腫とは、縦隔に血液が溜まることによって起こります。縦隔とは、人間の胸部の真ん中にあり、左の肺と右の肺に挟まれた部分のことで、胸部の外傷によって、気管や食道、血管などが破れて出血することによって起こります。出血が止まらなくなってきた時には、出血性ショックを起こす場合もあり、血腫が大きくなると気管が圧迫されて呼吸困難を起こす場合もあります。

主な症状

縦隔血腫は原因となっている病変が、縦隔のどの部位にできているのかによって症状も変わってきますが、主に胸痛や胸部圧迫感がおこり、ひどくなるとそこから空気がもれだし首や顔が腫れてくるようになります。これを皮下気種といいます。これがさらに悪化すると窒息することもあり重大な危険となります。ほかにも出血量が多く出血性ショックを起こす事もあります。

主な原因

縦隔血腫の原因は、胸部の大きな外傷や強い衝撃によるものです。直接的に胸部の縦隔が傷つけられた場合や、外部からの強い衝撃によって、胸部の縦隔内の気道や血管などの組織を傷つけた場合に起こります。こうして縦隔内の組織に大きな傷が生じると、縦隔内に大量の血液が溜まっていき、さらに命の危険に関わる二次性のショックを引き起こす要因になります。

主な検査と診断

検査方法としては、胸部単純X線検査や胸部CT検査で診断できる。しかし、合併して見られる気胸などと類似症状が多いため、誤診、見落しがちになりやすい。そのため事故や銃創、刃物による刺傷などの直接的原因から類推、診断し、胸痛、背部痛、胸部圧迫感の有無、チアノーゼ、血たんなどの症例が見られる場合は、縦隔血腫を疑い、前記X線検査やCT検査を実施することが必要になる。

主な治療方法

縦隔血腫の治療法は、内科的に投薬による治療で改善する場合もありますが、急的に症状が出た時などは外科手術を行う場合があります。また慢性的でも外傷による疾病の場合で発見が遅れた場合は手術となる可能性が高いです。主に、空気によるガス類や血液の漏れが原因の場合が多く、手術も比較的容易に行われる場合が多く、ここからは改善が見られるようになります。