化膿性骨髄炎
化膿性骨髄炎はどんな病気?
化膿性骨髄炎は、 骨に細菌が入り化膿性の炎症を起こす病気で、急に症状が出る急性と、慢性化に分けられます。急性のものは小児に多くみられ、その場合には、他の部位から病原菌が血液を通して運ばれ二次的に発症する血行性感染によるものがほとんどです。高熱や悪寒、局所的な痛みや腫れがみられます。
治療は一般的には入院、安静のうえ、有効な抗生物質を点滴します。改善がみられない場合には手術が行われます。
主な症状
化膿性骨髄炎の症状としては、急性の場合は、悪寒、発熱、食欲不振、全身の倦怠感、そして局所では疼痛、腫れ、発赤となります。また大腿骨等に発症した場合には感染が関節まで及び、化膿性関節炎となる可能性もあります。慢性では痛みなどの局所症状はみられますが、発熱や倦怠感などの全身症状はみられません。病状が長くなると、皮膚に孔があき瘻孔や膿が出てきます。
主な原因
化膿性骨髄炎の原因は骨折や手術などによって細菌が直接骨髄に侵入する場合と、体内の他の部位に感染が起きていて、そこから細菌が血液の流れによって運ばれ、骨髄に到着する場合があります。原因となる菌は黄色ブドウ球菌が最も多く、緑膿菌や表皮ブドウ球菌などもみられます。近年は抗菌薬の効きにくいメチシリン耐性ブドウ球菌が増加しており、治療が難しくなっています。
主な検査と診断
化膿性骨髄炎の検査方法としては、血液検査とX線検査が主に行われています。血液検査では白血球数の増加の幅、CRPの陽性、赤血球沈降速度の亢進などが見られ、慢性化している場合には、あまり異常なところは見られないこともあります。
画像検査では主にX線検査を行いますが、初期段階では写りにくいためCT検査やMRI検査から、判断する場合もあります。
また原因菌を特定するために細菌培養検査が行われます。
主な治療方法
化膿性骨髄炎の治療法として、急性の場合は慢性化への移行や病巣の拡大を防ぐために、早急に入院し安静にして点滴で抗生物質を投与します。その後、改善が見られない場合は手術による治療が必要となります。慢性化している場合、血行障害や腐骨などが原因で抗生物質が十分に効果が出ないため手術となるケースが多くなります。高圧酸素療法も有効で、手術と組み合わせて行われることがあります。