急性循環不全 キュウセイジュンカンフゼン

初診に適した診療科目

急性循環不全はどんな病気?

急性循環不全とはショックのことで、血圧低下により血液が末梢に行かなくなり、組織の毛細血管の酸素交換が低下する状態をいい、重要な臓器への血液循環が悪くなるものです。
血液量の減少や体液の過度の損失、心臓のポンプ作用の低下、血管壁の過度の弛緩や拡張といったことが原因となって起こります。
治療としては補液を行い、血圧、脈圧、尿量の改善を図ります。

主な症状

急性循環不全の主な症状とは、体全体に血液を運ぶ機能が低下してしまったために、健康を維持するために十分な血液を送り出すことが出来なくなった状態になることです。
典型的な症状としては、顔面が蒼白になり、脈が速くなったり、遅くなったりします。意識がもうろうとし、呼名反応などが鈍くなります。
血液がたりなくなってしまうことにより心臓が働かなる急性心不全がおこると臓器も血液が足りなくなり最終的には死にいたります。応急処置としては足をあげる等して内蔵に血液をためることです。
 

主な原因

急性循環不全は、大量の出血、下痢や嘔吐による消化器からの体液の喪失などで循環血液量が減少し、十分な血圧が保てなくなることが原因で発生します。
また、重度のやけどや、敗血症、アナフィラキシー、心不全、広範な肺梗塞、心筋梗塞などによって抹消組織が血流不全による低酸素状態から引き起こされます。過度の低血圧状態になることが要因とされます。

主な検査と診断

急性循環不全の診断は、医師による患者の容体、症状からの診察からはじまり、主な検査方法には血液検査が使用されます。
出血があり、他の循環不全(ショック)との鑑別が困難な場合は、中心静脈圧CVPの測定、緊急時の場合は動脈圧モニターをしながら血液代用剤の急速注入を行います。
腎不全の場合は、血液検査での血清クレアチニンの値で判別できます。原因検索のため、尿検査やCT,MRI等の画像検査を行う場合もあります。

主な治療方法

急性循環不全の治療法は、出血性ショックの場合、まず止血と適正輸液(喪失した体液組成に近い補液)を行い、血圧や脈圧などを改善させます。
その後、改善が見られるようなら濃厚赤血球の輸血を行いますが、改善されない場合は、血管作動薬等の投与と大量輸血が必要になります。
大量輸血の際には低カルシウム血症への注意が必要です。場合によっては、塩化Caを投与します。