有棘細胞がん

有棘細胞がんはどんな病気?

有棘細胞がんというのは、皮膚がんの一種で子どもの頃のやけどや大きなけがをした時の傷跡や治療をするために受けた放射線などにより皮膚炎になった箇所から発症したり、紫外線を大量に浴びて体内に蓄積することによってなる病気のことです。一つの特徴としては、腫瘍化すると悪臭を発するようになります。この病気は、男性の特に高齢者がよく発症するものです。

主な症状

有棘細胞がんは、その発生した部位や原因、発症してからの時期によって症状が異なってきます。一般的には患部の皮膚が盛り上がり、中央部分が赤身の肉のように見えます。また、患部の表面は常にジクジクと湿り気を帯びて、出血が止まりにくいなどの特徴があります。病気の進行が進んだ場合、カリフラワー状に腫瘍の形が変化することもあります。患部が細菌感染をしたときには、膿んだり悪臭を放つケースもあります。

主な原因

有棘細胞がんの大きな原因は、紫外線によるダメージが皮膚に蓄積されることによります。短期間に大量に浴びるだけでなく、幼少の頃から蓄積された紫外線からでもがんが発生します。そのため太陽の光が当たりやすい頭や顔に発生することが多くなっています。その他にもやけどや怪我の傷跡、放射線の照射などから発生します。ボーエン病や日光角化症などもがんの発症に関わりがあります。

主な検査と診断

有棘細胞がんの検査方法には、次のようなものがあります。やけどやけがなどで傷跡が盛り上がっている場合や潰瘍が生じている場合、本症例を念頭に置いたうえで、皮膚生検を行います。また、がんが進行していれば、血液検査にてSCC関連抗原の上昇が認められます。万一、できものや潰瘍が長い期間治らなければ、本症例が疑われる可能性があるうえ、放置しすぎると、気がついた時に進行しているリスクもあるため、注意が必要です。

主な治療方法

有棘細胞がんの治療法としては、外科手術による部位切除が原則となりますが、高齢の患者で外科手術が行えない場合には放射線療法・凍結療法などが行われます。外科手術は、所属リンパ節への転移が認められる場合は郭清術の方法を取ります。また、この病気にはペプロマイシン・シスプラチン・アドリアマイシンを併用した薬物療法であるCA療法も有効であるとされています。