クラッシュシンドローム

初診に適した診療科目

クラッシュシンドロームはどんな病気?

クラッシュシンドロームとは、地震などで建物が倒壊した際に、その柱や壁に長時間はさまれて体が圧迫されることによって起こるものです。筋肉の組織が破壊され、それによって生じた有毒な物質が、圧迫が解けた瞬間に、血液中に溶け出して全身をまわり、最悪の場合、死にいたることもあります。圧迫物を取り除く際には、血流を制限して、毒素の流れを抑えるなど、注意が必要です。

主な症状

クラッシュシンドロームの初期にみられる主なこととして、運動、知覚麻痺などが局所におこります。災害時などに体が長時間圧迫されたため、筋肉部分が腫張し広範囲に点状出血が見られます。救出の際に痛みはありませんが、しばらくしてから圧迫されていた部位の麻痺や手足のしびれ、脱力感などの症状が見られます。また尿が茶色に変わり、量も減少するという特徴があります。

主な原因

クラッシュシンドロームは別名挫滅症候群と呼ばれ、阪神淡路大震災のときに発見された病気です。この病気は身体の一部が長時間挟まれるなどして、そしてそれが解放されることを原因として、壊死した細胞から大量ほ細胞内成分があふれ出すことで、急性腎不全、心不全などの様々な疾患を引き起こし、最悪の場合病院に到着する前に死亡してしまう、という病気です。

主な検査と診断

クラッシュシンドロームの検査方法として最も多く取り入れられているのは尿検査と血液検査です。尿検査ではミオグロビンの量が平均的な値を超えているかどうかを検査し、症状が出ているかを確認します。また、血液検査ではヘマトクリット値、代謝性アシドーシス、血清カリウムなどの数値を確認していきます。これらの数値が高い状態であると、症状が認められる可能性が高くなります。

主な治療方法

クラッシュシンドロームの治療法は、血液透析、輸血、切開手術などです。感染症の可能性もあるため、予防対策を取るのが一般的です。また状態によって、いろいろな治療を試みることになり、場合によっては肉体の一部を切除しないといけません。特に使えなくなった部分は、壊死しているので切除しないと、回復見込みのある部分まで破壊されてしまいます。