カルタゲナー症候群

初診に適した診療科目

カルタゲナー症候群はどんな病気?

カルタゲナー症候群とは、「気管支拡張症」「慢性副鼻腔炎」および「内臓逆転症」の三つの症状を特徴とする、先天性疾患です。染色体異常により繊毛運動がうまく働きません。外から体内に入ってくる病原菌などを排出しようとする繊毛運動が不全の為、気管支炎や肺炎になりやすくなります。炎症を繰り返すと気管支が拡張します。同じ理由で副鼻腔炎も慢性化しやすい病気です。

主な症状

カルタゲナー症候群の症状には、繊毛が重要な働きをする器官や臓器に障害が現れます。これは、この病が先天性の繊毛運動障害によるものであるためです。主な疾患としては、典型的なのものとしては、気管支拡張症があります。これは上気道内の繊毛運動障害により、病原菌の排除機能が低下することに起因します。また、鼻啌内でも、慢性的な副次鼻啌炎を起こします。他にも繊毛運動障害による内臓逆位、男性不妊などが起こります。

主な原因

カルタゲナー症候群は、腺毛不動症候群の一つの部分症であり、繊毛の運動性を喪失させてしまう常染色体の劣性遺伝病が発症原因となります。ダイニンアームの合成ができないことから、繊毛運動性が喪失し、繊毛運動が重要な役割を果たす機関や臓器に問題を引き起こします。ダイニンアームの合成が上手くいかない理由は、先天的な遺伝病により、常染色体に異常があるからと考えられています。

主な検査と診断

カルタゲナー症候群の検査方法は、鼻粘膜などの組織採取による生体検査によって行われます。鼻粘膜やあるいは気管気管支粘膜から、繊毛を含んだ組織を採取します。採取した組織内に含まれている繊毛を電子顕微鏡を用いて観察することによって、繊毛の構造の中に何らかの異常が観察された場合には、この病気である事が確定されることになります。

主な治療方法

カルタゲナー症候群には根本的な治療法がないため、現在では合併してくる病気への対病療法(薬物療法)が主に使われます。たとえば、気管支拡張症の治療には内服薬や止血薬、慢性副鼻腔炎には保存療法(ネブライザー治療や内服薬)または手術療法(内視鏡を用いての副鼻腔の出口を鼻内に大きく開く通路をつくる手術)、男性不妊症には顕微授精などを行います。