ゴーシェ病 ゴーシェビョウ

ゴーシェ病はどんな病気?

ゴーシェ病とはフランス医師ゴーシェ氏により発見されました。遺伝的にグルコセレブロシダーゼという糖脂質の分解酵素が欠損しているため、肝臓や脾臓に未分解の糖脂質が蓄積することにより起こる疾患です。主な症状は、肝臓や脾臓の肥大、貧血症状、骨折及びX脚などの骨の変形で、患者数は5000人と、非常に希少な難病です。主な治療方法として、酵素充填療法があり、現在はライソゾーム病として特定疾患に指定されています。

主な症状

ゴーシェ病にかかると、肝臓、脾臓、血小板、骨、神経に症状が現れます。ゴーシェ細胞が肝臓や脾臓に蓄積することで、臓器がはれたり、骨髄に蓄積することで、血液を作る機能が低下し、血小板、赤血球、白血球が破壊されます。また骨折が多くなったり、骨が変形したりします。さらに脳にゴーシェ細胞が蓄積することで、痙攣や斜視などがおこります。

主な原因

ゴーシェ病の原因は、遺伝子変異によるグルコセレブロシダーゼの機能低下や欠損によるものです。酵素の一つであるグルコセレブロシダーゼが本来の機能を果たさなければ、この酵素で分解する必要があるグルコセレブロシドが脾臓や肝臓、あるいは骨髄などに蓄積していくことになります。こうした酵素の機能の低下や不全が、病状を招くことになります。

主な検査と診断

ゴーシェ病の検査方法についてですが、血液を採取し血中酵素(β-グルコセレブロシダーゼ)の活性測定を行います。また肝臓、膵臓の組織を一部採取し、蓄積しているグルコセレブロシドを確認し遺伝子変異を調べます。骨髄に針を刺し骨髄液を採取し、骨髄の中のゴーシェ細胞の有無を顕微鏡で調べます。またレントゲンやMRIを使った検査も行います。

主な治療方法

ゴーシェ病の治療法は、酵素補充療法や骨髄移植などの方法よって行われます。酵素補充療法を実施することによって、血液や臓器の異常に改善が見られます。また、骨髄移植を行うことによって、血液や肝臓、脾臓に改善が見られ、さらに神経症状に関しても病状の進行を抑制したり改善する事が期待できます。ただし、合併症に対する備えが必要です。