糖尿病性腎症

初診に適した診療科目

糖尿病性腎症はどんな病気?

糖尿病の3大合併症のひとつです。進行すると腎機能が悪化し、最近では腎不全におちいる方が増えています、又、現在では透析療法を受ける患者さんの原因疾患の第1位を占めています。糖尿病になって10年以上経過してから徐々に蛋白尿が現れ、やがてネフローゼ症候群となって浮腫を来し、腎機能が悪化してくるのが典型的な経過です。

主な症状

初期の段階では、自覚症状はなく、むくみなどの症状が出現していると病気が進行している状態です。腎不全になると、尿毒症の症状が出てきます。

主な原因

インスリンの不足、あるいは作用がうまく現われないことによる高血糖が、腎症のおもな原因と考えられています。血管の内側にある内皮細胞が障害されたり、腎臓内の蛋白質(たんぱくしつ)に非酵素的糖化反応を来したりします。また腎臓内の高血圧の影響も大きいです。

主な検査と診断

糖尿病性腎症の診断は、尿中アルブミン排泄量で行います。具体的には、尿のアルブミン(mgdl)とクレアチニン(gdl)の測定を行います。その比(アルブミンクレアチニン:mgg・Cr)が30~300mgg・Crの範囲にあることを「微量アルブミン尿」と呼び、早期腎症ともいわれ、最初の変化があります。

 

また、腎機能の測定は従来は血液検査と蓄尿検査(一定時間の尿をためる方法)が必要でしたが、最近では血清クレアチニン値を測定し、年齢と性別を考慮した計算式により算出できるようになってきています。

主な治療方法

血糖値のコントロールをすることで進行を抑えることができます。血糖のコントロールは、低カロリー食、運動療法が基本ですが、糖尿病薬の服用、およびインスリンの注射も行います。

 

顕性腎症の前期も、厳格な血糖のコントロールが必要です。血糖コントロールの目標は、食前血糖値120mgdl未満、食後2時間血糖値180mgdl未満、HbA1C6・5%未満です。腎不全期には、食事療法として、たんぱく質の摂取の制限を行ないます。一般的に標準体重1kgあたり通常は1・0~1・2g日のところを0・8~1・0g日あるいは0・6~0・8g日まで段階的に制限していく方法が用いられます。血圧の正常化のため、降圧薬の使用も重要です。降圧薬のうち、糸球体内の圧力を減らす作用もあアンギオテンシン変換酵素阻害薬が使用されます。