肝血管腫
肝血管腫はどんな病気?
肝血管腫とは肝臓の中にできる腫瘍のことです。血がたまってできたおできのようなもので良性です。自覚症状はなく検査で見つかるケースがほとんどです。良性のものでも定期的に検査を受け、経過をみることが大切です。10センチを超えるような腫瘍の場合は外科手術が必要となってきます。
主な症状
肝血管腫は、腫瘍の中でも最も一般的で、肝血管にできる良性の腫瘍のため、自覚症状は基本的にありません。大きくなりすぎた場合のみ腹痛を感じたり、腫瘍が破裂して貧血になることがあります。癌になることはないので、見つかった場合にもそれほど心配する必要はありません。良性腫瘍なので、悪性の腫瘍のように急激に大きさが変わることはありません。
主な原因
肝臓の中の毛細血管が無数に絡み合って腫瘍状に発育して、血液を多く含むスポンジ状のものが出来るのを肝血管腫といいます。肝臓には血管が多く集まっているために特に血管腫ができやすくなっています。先天的な要素が強いと考えられていますが、なぜこのような腫瘍が肝臓にできるのか原因は明らかにされていません。
ホルモンの影響で出産経験のある女性は血管腫が大きくなりやすいと考えられています。
主な検査と診断
肝血管腫は、肝機能障害の有無によって検査方法が違います。肝機能障害が無い場合は良性腫瘍なので、治療の必要は無く、経過観察です。肝機能障害やB型・C型のウィルス性肝炎を併発している場合は、注意が必要です。
肝がんを発症しやすいので、本当に良性腫瘍なのかどうか、他に肝がんができていないかを詳しく調べなければなりません。そこで、腫瘍マーカー(血液中に含まれる特殊なたんぱく)検査などを行います。
主な治療方法
肝血管腫は、通常は良性の腫瘍であることから、見つかったとしても治療は行われずに、経過観察などになります。しかし、腫瘍の大きさは人によって様々で、稀に非常に大きな腫瘍となることもあります。その場合、痛みや出血してしまうことを防ぐために、外科手術を受けるといった治療を必要としてくることがあります。