フラッシュバック
フラッシュバックはどんな病気?
フラッシュバックとは、過去に体験した心の傷を伴う心的外傷により、当時の忌まわしい記憶や映像などが思い出される現象です。心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害の特徴的な症状のうちの1つで、誰もが患う可能性のある代表的な心疾患です。
主な症状
フラッシュバックの症状とは、トラウマを受けた当時と同じ状況をまた経験しているように感じます。頭の中で記憶がよみがえり、同時に恐怖心、発汗、におい、音、苦痛など、当時の感情や肉体的な感覚を再体験することもあります。また、フラッシュバックは、さまざまな身体反応を引き起こします。不安になって眠れない入眠困難を引き起こしたり、物事への集中も困難になったり、神経が極めて過敏になるのでそれが怒りとなって爆発することもあります。感情のコントロールが出来なくなってしまうのです。
主な原因
フラッシュバックの原因は、自分ではどうにもならないような衝撃的で恐ろしい経験をしたことによる極度のストレスです。感覚や感情を刺激する音、映像、味などがきっかけで起きます。その人が過去にもつトラウマによっては、シチュエーションであったり、痛覚を刺激された場合にも起きるケースがあります。
何がきっかけであるかは、人によって違うことが多く、似たようなトラウマであっても、思い出したり夢に見るパターンは違うことが多い傾向にあります。
主な検査と診断
心に大きな傷を受けるような状況に陥った場合、その後もその時の情景がフラッシュバックとして再び再現されてしまうPTSDに悩まされている方は少なくありません。この検査方法には米国精神医学会のDSM-4という基準で行われるのが通常ですが、他にもWHOのICD-10基準といったものもあり、場合によってはこちらもよく使われています。
主な治療方法
フラッシュバックの治療法は様々なものがありますが、主となるのは精神科医のカウンセリングで嫌な思い出やトラウマを思い出してしまうプロセスを明らかにして、トラウマや嫌な思い出を思い出させないようにします。またEMDRという治療法を行うこともあります。EMDRは眼球運動を用いる技法で、フラッシュバックや外傷体験に対する脳の処理プロセスを活性化します。不思議な治療法に聞こえるかもしれませんが、有効であることがわかっています。
その他に薬物療法などもありますが、いずれの治療法も症状を慢性化させないために早期に治療を始めることが重要です。