結核性脊椎炎

初診に適した診療科目

結核性脊椎炎はどんな病気?

結核菌が肺から血流にのって脊椎へと運ばれて発症するのが結核性脊椎炎です。発症部位は腰椎、胸椎、胸腰椎に起こることが多く、頸椎に起こることは稀なケースです。まず椎体が破壊されてその次に椎間板へと波及し、病状が進むと隣接する椎体へと広がり、椎体が壊死して膿瘍ができるようになります。原因は先述のように肺の結核菌ですが、ごく稀に泌尿器が感染源となることがあります。

主な症状

結核性脊椎炎に現れる症状としては、微熱や倦怠感、食欲不振が現れたり、局所的には腰背部痛や脊柱の硬直などが現れることがあります。また、罹患部を叩くと痛みを生じるのも特徴的なことです。病気が進行すると感染した部分だけが突出して角状後弯になったりします。その他には、膿が脊椎周囲だけではなく背中や太ももの付け根などにも膿瘍などを生じます。

主な原因

結核性脊椎炎の原因は、脊椎に何らかの経路を通じて結核菌が感染することです。たいていの場合、結核菌は他の臓器(主に肺)に形成した結核病巣から血液の流れにのって脊椎に感染します。しかし、まれに泌尿器が感染源となることや、感染源がハッキリしないこともあります。また、周囲に結核の感染者がいる場合は新たに感染することもあります。

主な検査と診断

結核性脊椎炎の検査方法としましては、X線検査、血液検査、CT検査、MRI検査を行う場合があります。もし症状が見られる場合には、X線検査では椎体の不整像がみられ、血液検査では白血球数の増加、CRPの陽性反応がみられますが特徴的ではなくあのでツベルクリン反応もみる必要があります。MRIでは病巣の広がり、神経との関係、CT検査では、椎体内や周囲の膿瘍像や骨の石灰化像がみられます。

主な治療方法

結核性脊椎炎の治療法のメインは患部の固定と薬物療法です。コルセットなどを使って脊椎を固定し、薬は抗結核薬を投与します。この病気では椎体部から出た膿が神経を圧迫していることがあり、神経の圧迫が麻痺症状を起こしていることがあります。こうしたケースでは手術で切開をして膿を排出させます。また進行具合によっては、手術で膿と病巣のある部分を切除するのも有効です。