今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!
今回は『子どもの歯が「生え変わりの時期」に注意したいこと!』をご紹介させて頂きます。
生え変わりは「だいたい6歳前後」から
子どもの歯が、「乳歯」から「永久歯」に生え変わりは、一般的に6〜12歳にかけて行われます。乳歯がグラグラになって抜けた場所から、順番に永久歯が生えてきます。背丈の伸び具合や体重の増え方が違うように、もちろん、歯の生え方・生える時期・生える順番にも、個人差があります。ですが、子どもの成長にともなって、およそ6年のあいだに(あるいはもっと短い期間で)、20本の乳歯が、28本(親知らずを除く)の永久歯に生え変わるのです。

乳歯と永久歯は、どちらも
(1)エナメル質
(2)象牙質
(3)歯髄(神経)
(4)セメント質
という4つの成分から構成されています。しかし、永久歯は、これからの長い人生において、一生使うことになるため、丈夫で長持ちするよう、乳歯にくらべて、エラメル質と象牙質が、約2倍の厚みがあります。
特に気をつけたい「4つ」の注意
子どもの歯の「生え変わりのメカニズム」を確認しておきましょう。まず、子ども(赤ちゃん)の歯(乳歯)が最初に顔を出す(生えはじめる)のは、生後3〜12ヶ月のあいだです。それから、およそ6ヶ月ごとに、3〜4本のペースで生えてきます。そして、多くの子どもは、3歳のお誕生日を迎えるまでに20本の乳歯が生えそろうことになるでしょう。
いよいよ子どもが育って、6歳前後になると、あごの中の乳歯の下で「永久歯」が成長してきます。「永久歯」が成長して、その根が作られてゆくと、今度は「乳歯」の根が溶けはじめます。そして、乳歯の根の溶けた状態が進むにつれて、乳歯はグラグラ不安定に動くようになります。「まもなく抜けます」というサインです。やがて、乳歯の根が完全に溶けてなくなると、乳歯は抜けて、永久歯に生え変わるのです。
そこで生え変わりの時期に、特に気をつけておきたいのは、次の4つです。

・乳歯の虫歯は、きちんと治療する
・乳歯と永久歯が混ざった口内は、磨き残しが起こりやすい
・生えたばかりの永久歯は弱く、虫歯になりやすい
・永久歯が完全に出ていない歯肉(歯ぐき)は、歯肉炎に注意
「乳歯の虫歯」はきちんと治療する
乳歯はいずれ抜けるのだから、「虫歯は治療しなくても大丈夫」と思っている人がいるようですが、これは大きなまちがいです。乳歯が虫歯になると、口のなかに虫歯菌が増殖して、あごの中に埋まった永久歯にも悪影響を及ぼすからです。
生え変わりの時期でも、乳歯の虫歯はきちんと治療しておくことが大事です。乳歯の虫歯を放置しておくと、虫歯菌が乳歯の根をむしばみ、やがて乳歯の下にある永久歯にまで感染します。すると、永久歯の成長そのものが悪くなり、さらに細菌の膿みによって、これから生えてくる永久歯が変色する恐れがあります。虫歯の乳歯がかなりグラグラしている状態でも、念のため歯科医を受診し、医師に相談しましょう。
そもそも乳歯は、虫歯になりやすい歯です。エナメル質が薄いうえに、まだ軟らかく、虫歯菌が糖から作り出す酸に弱いため、虫歯にかかると進行が早いのが特徴です。また、乳歯の虫歯は、大人ほど痛みを感じないため、ママやパパも気づきにくいことが多いようです。毎日の虫歯予防をしっかり行い、口内をよく点検するよう心がけましょう。
永久歯は「虫歯」になりやすい
生え変わりの時期は、「乳歯」と「永久歯」が口の中でいつも混ざった状態です。それぞれ形や性質が異なった歯の組み合わせで、子どもは食べ物をかみ砕きます。違う歯が混在した状態では、歯並びがデコボコで、噛み合わせの溝が深くなるため、食べ物の細かいカスが歯と歯のあいだに付着し、さらに歯の磨き残しが起こりやすくなります。

また、生えたばかりの永久歯は、
(1)表面が粗く汚れや歯垢がつきやすい
(2)歯の質がまだ成熟していないことから酸に弱い
などの理由で、大人にくらべて虫歯になりやすいといえます。生えたばかりの永久歯を、虫歯から守るには、磨き残しには十分な注意が必要です。子どもの歯磨きでは、ママやパパが「仕上げ磨き」を行うようにします。
永久歯が出ていない歯ぐきは、歯肉炎に注意
乳歯が抜けて、永久歯がまだ完全に表に出てきていない状況でも、歯磨きはしっかり行います。少しだけ頭を出した永久歯と、歯肉(歯ぐき)のあいだには、小さなすき間ができることがあります。そこに、食べカスなどが溜まると、歯ぐきに炎症が起こります。「歯肉炎」という病気です。
歯ぐきが赤く腫れて、歯磨きのたびに出血することがあれば、歯肉炎の疑いがあります。痛みはほとんど感じませんが、治療が遅れると「歯周病」を引き起こします。歯肉炎の段階でしっかりと治療することが大事です。その後も大人が丁寧に歯磨きをしてあげましょう。