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今回は『アレルギー検査「Viewアレルギー39」とは?』をご紹介させて頂きます。

39種類のアレルゲンを「一度に調べる」新しい検査

私たちの体には、細菌・ウイルス・毒素など異物(抗原)が外から侵入した場合に、それに抵抗して、排除し、さらに打ち勝つ機能が備わっています。体を守るための「免疫」と呼ばれる仕組みです。

ところが、免疫機能には、植物の花粉や食べ物など体にそれほど害のないものにまで、過剰に働くことがあります。異常な免疫反応は、発疹、喘息、くしゃみ、鼻水などの症状を引き起こします。これが「アレルギー反応」です。

アレルギー反応には、その症状を引き起こす原因物質(アレルゲン)が存在します。「Viewアレルギー39」とは、39種類のアレルゲンに対して、アレルギーの起こりやすさを調べる検査です。少量の採血で、39種類を一度に調べることができます。2016年(平成28年)4月から開始された新しい検査です。

日本人の「4人に1人」はアレルギー持ち

日本では、国民の4人に1人が、何らかのアレルギーを持っているといわれています。そしてアレルギー反応によって起こるさまざまな症状を抱えながら、我慢して生活を送っている人が、いったいどれほど大勢いることでしょう。その代表が、近年では「スギ花粉症」でしょうか。

アレルギーの適切な治療を行うには、アレルゲンを特定することが大事です。アレルギー反応は、血液のなかで「IgE抗体」がアレルゲンと出会い、反応することで症状を引き起こします。IgE抗体はアレルゲンによって、特異の存在です、例えば、卵白がアレルゲンの場合、血液中に「卵白特異IgE抗体」が生産され、卵白が体に摂取されたときに反応して、じん麻疹や呼吸困難などの症状が起こります。

Viewアレルギー39は、血液中に39種類の特異IgE抗体がどれほど存在しているのか、その量を測定することで、その人のアレルゲンを特定することができます。

39種類は「どんなもの」が含まれているのか?

Viewアレルギー39が測定するアレルゲンは、「吸入系」と「食物系」の2つに分かれます。吸入系とは、花粉、室内塵、動物のフケなど鼻や口から吸い込むことで体内に入る抗原を指します。Viewアレルギー39では、19種類の吸入系抗原を検査します。食物系とは、卵、牛乳、穀物など、抗原となる特定の食物を指します。Viewアレルギー39では、20種類の食物系抗原を検査します。

具体的な検査項目は、次のとおりです。これらの抗原に対して、アレルギーの強さを数字であらわします。

<吸入系>
【室内塵】:ハウスダスト、ヤケヒョウヒダニ
【樹 木】:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
【草本類】:カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ
【真 菌】:アルテルナリア、アスペルギルス、カンジダ、マラセチア
【動 物】:ネコのフケ、イヌのフケ
【昆 虫】:ガ、ゴキブリ
【その他】:ラテックス

<食物系>
【 卵 】:卵白、オボムコイド
【牛 乳】:ミルク
【小 麦】:小麦(実)
【豆・穀・種実類】:大豆、米、ソバ、ピーナッツ、ゴマ
【甲殻類】:エビ、カニ
【果 物】:リンゴ、キウイ、バナナ
【魚・肉類】:サバ、サケ、マグロ、牛肉、鶏肉、豚肉

子どもの「アレルギーマーチ」の予防につながる

子どもがアレルギーを起こすときは、
(1)アトピー性皮膚炎 →(2)食物アレルギー →(3)気管支喘息 →(4)アレルギー性鼻炎と、4つのアレルギー疾患が順番にやって来ることが多く見られます。
まるで行進するかのように、次々症状が起こることから「アレルギーマーチ」と呼ばれる現象です。

Viewアレルギー39は、アレルギーマーチが進むのを予測・予防するには特に有効な手段といわれています。アレルギー反応に対して、早めの適切な治療に役立つほか、症状への自己管理やコントロールにつながることでしょう。

検査費用は、健康保険が適用できるため、3割負担で約5000円です。検査から結果までの期間は、医療機関によって異なりますが、一般的に約1週間かかります。

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