今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!
今回は『厚生労働省も認めた美白効果!「トラネキサム酸」とは?』をご紹介させて頂きます。

日本生まれの美白成分

トラネキサム酸は、人工的に合成されたアミノ酸です。日本の医学者である岡本彰祐さんと歌子さんご夫妻によって、1962年(昭和37年)に開発された医薬品です。医療現場では、現在でも
(1)風邪などによる喉の炎症を鎮める
(2)湿疹やじんましんなどのアレルギーを抑える
(3)分娩や抜歯などの止血を行う、などに使われて活躍する化合物です。

そして2002年には、トラネキサム酸が美白効果のある成分として、厚生労働省から認められています。それは薬事的にみても、トラネキサム酸は、メラニンの生成を抑え、シミやそばかすを防ぐ効果がある「美肌有効成分」であることを示すものです。

なぜ、シミができてしまうのか?

トラネキサム酸には、シミの原因である「メラニン色素」の生成を抑える作用があり、しみ・そばかすを防ぐことで、美白効果が期待できます。特に、シミの一種で治りにくいとされる「肝斑(かんぱん)」に効果があることから、近年注目が集まっています。

人間の皮膚のいちばん外側にある「表皮」は、その厚さは約0.1〜0.3mmです。そのわずかな厚みのなかは、
(1)角層
(2)顆粒層
(3)有棘層
(4)基底層
の4つの層から構成されています。表皮のなかは、ほとんどが「ケラチノサイト」と呼ばれる細胞で占められています。

いちばん奥にある基底層には、「メラノサイト」と呼ばれる色素細胞が含まれています。メラノサイトは、表皮が紫外線を浴びると、メラニン色素を生成します。メラニンは、紫外線によって肌細胞が破壊されたり、皮膚がんになったりするのを防ぐ働きがあります。ところが、過剰に紫外線を浴びて、長い年月にわたり浴びた紫外線によって、メラニン色素がケラチノサイトにたくさん溜まると「シミ」が発生するのです。

シミの発生を「未然にブロック」する

表皮が紫外線を浴びてケラチノサイトが刺激を受けると、メラノサイトから「プロスタグランジン」という物質が作られます。プロスタグランジンは、メラノサイトの活性化因子で、シミや肝斑の発生に大きく関わる物質です。

そしてプロスタグランジンが作られたという情報は、電気信号となって、そのシグナルがメラノサイトに伝わります。すると、メラニンが作られ、やがて肝斑を含むシミが発生することになるでしょう。

トラネキサム酸には、プロスタグランジンの働きを抑える効果があります。プロスタグランジンを抑制して、メラノサイトに情報が伝わるのをブロックするわけです。つまり、活性化因子からの情報が伝わるのを防ぐ働きです。情報が遮断されれば、メラニンは作られることもなく、シミの発生を未然に防ぐ効果につながります。

目元の肝斑にも「効果が期待」できる

さらに、肝斑の発生に影響するのは「プラスミン」と呼ばれる酵素です。肝斑は、ほほ骨の付近や口のまわりなどに、左右対称的に発生するシミの一種です。目元に出きやすく目立ちやすいため、肝斑に悩む女性は多くいます。女性ホルモンのバランスの乱れが原因といわれ、30〜40歳代に女性の多くあらわれる現象です。

プラスミンは、もともと血液が固まるのを防ぐ働きがありますが、トラネキサム酸は止血効果があることから、「抗プラスミン」作用を持ち、肝斑の発症を抑える効果が期待できます。

また、トラネキサム酸は副作用が少ないことも、利用者を増やす要因の1つといえるでしょう。化粧品として利用することもあるでしょうが、その効果を考えて、錠剤などの内服薬として摂取することも可能です。皮膚科を受診し、専門医と相談しながら、指導のもと適した量を摂りいれるようにしましょう。

▶︎医師が薦める「皮膚科」の名医情報なら【名医ログ】

▶︎医師が薦める「美容皮膚科」の名医情報なら【名医ログ】