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今回は『「インナーマッスル」と「体幹」の違いとは? 』をご紹介させて頂きます。

筋肉の「半分以上」は自分で動かせない

人間の体をつくる筋肉は、おもに
(1)体を動かすための「骨格筋」
(2)内臓を作る「平滑筋」
(3)心臓を作る「心筋」 の3つに分類されます。

骨格筋は、自分の意志で動かすことができ、運動などで鍛えて増やすことのできる筋肉です。一方、平滑筋と心筋は自分の意志では動かすことのできない筋肉です。

人間の筋肉は、体の中心部(骨に近い部分)から何層にも重なって構成されていますが、それを全部合わせると「約600種類」にもおよびます。そのうちの約40%が骨格筋です。つまり、私たちは自分の持っている筋肉の半分以上は、自分の意志で動かすことも、鍛えることもできないのです。

インナーマッスルは「全身」にある

体の表面を触って確認できる筋肉を「表層筋」といいます。または「アウターマッスル」との呼ばれます。それに対して、体の中心に近い筋肉を「インナーマッスル」といいます。体の奥深くにあることから「深層筋」という名前で表現されることもあります。

インナーマッスルというと「=腹部」のイメージを持っている人が多いようです。しかしインナーマッスルは、体の深い部分にある筋肉の総称であって、筋肉の場所ではなく、深さをあらわした言葉です。したがって、腹部だけでなく、背部、腕、脚などインナーマッスルは全身に存在しています。

体幹とは「胴体」のこと

近ごろは女性のあいだでも、体幹トレーニングに関心を持ち、そして実際に行っている人が増えています。体幹を鍛えることで、「姿勢がきれいになる」、「太りにくくなる」、「ボディラインが美しくなる」などと言われています。

では体幹とは、具体的に体のどこを指すのでしょうか。体幹は、全身から頭、両腕、両脚除いた「胴体」のすべての筋肉をいいます。そのため、体幹にはインナーマッスル(深層筋)も、アウターマッスル(表層筋)も含まれています。ですから、体幹トレーニングは、腹筋や背筋を中心にインナーマッスルとアウターマッスルの両方を鍛える運動です。

内臓を正しい位置に戻す

もともと体幹トレーニングは、スポーツのパフォーマンス向上を目指すアスリート向けの運動とされてきました。ところが、姿勢がよくなる、ウエストが細くなる、基礎代謝が上がって太りにくい体質になる、などの美容効果が期待されることから、一般の人、特に女性のあいだで注目が集まっています。

一般的に体幹トレーニングは、負荷をかけた動きを短い時間で行う運動が主体です。一方、体幹にあるインナーマッスルを鍛えるには、負荷の少ない動きをゆっくり繰り返し行う運動が主体です。継続することで、内臓群を本来の正しい位置に戻し、体のバランスをよくする効果があります。内側からきれいにするには、体幹のインナーマッスル・トレーニングが期待できそうです。