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今回は『がん以外も! 喫煙でリスクが高まる病気とは?』をご紹介させて頂きます。

肺がん死亡の70%は喫煙者

タバコには50種類以上もの発がん性物質が含まれており、喫煙年数が長いほど、1日の喫煙本数が多いほど、そして喫煙の開始年齢が若い人ほど、「がん」にかかるリスクが高くなることが分かっています。国立がん研究センターの報告によると、肺がんの死亡のうち、約70%は喫煙が原因とされています。

世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)をはじめ世界のさまざまな研究機関でも、肺がん、肝臓がん、すい臓がん、胃がん、口腔がん、食道がん、喉頭がん、子宮頸がん、膀胱がんについて、喫煙との因果関係が「ある」と示されています。

また、大腸がんや乳がんについては専門家のあいだでも議論が分かれており、喫煙との因果関係は現在のところ明らかではありません。

ニコチン以外の発がん性物質

タバコに含まれる有害物質のなかでも、ニコチン、タール、一酸化炭素はよく知られています。しかしタバコはそれ以外にも、アセトン、ブタン、ヒ素、カドミウム、トルエンなど、人間の体に深刻な影響を与える多くの有害な化学物質が含まれています。

これらは、ペンキ除去剤、ライターの燃料、殺虫剤、カーバッテリー、工業溶剤などに含まれる成分です。このことからも、喫煙が人の健康に害を及ぼす可能性の大きいことは明らかでしょう。

タバコの煙は、人間に対して発がん性が証明されている「発がん物質第1群」に分類されています。このグループには、シックハウス症候群などで知られる「ダイオキシン」や「アスベスト」が属しています。つまり、タバコの煙はそれほどまでに危険であるということです。

リスクは「肺がん」だけではない

喫煙はがんをはじめ、さまざまな臓器の働きを破壊するリスクが高まることはよく知られています。タバコを吸う人は、まったく吸わない人にくらべて、肺がんにかかるリスクは約4.5倍です。

さらに、たばこの煙の通り道になることで、咽頭がんは約3倍、喉頭がんは約32.5倍の発症リスクがあります。そして、唾液といっしょに発がん性物質を摂取するため、約2.2倍の高さで食道がんになる可能性があります。

「脳卒中」や「心筋梗塞」の恐れも!

喫煙は、臓器の働き以外にも、血管、血液にまで深刻な影響を及ぼします。たばこを吸うと、体内に一酸化炭素が取り込まれます。すると組織の酸素欠乏によって動脈硬化が起こり、脳卒中・心筋梗塞などを発症する危険度が高まります。

脳卒中は、タバコを吸う人は吸わない人にくらべて、約2倍の確率で発症しやすいことが分かっています。心筋梗塞は約2.1倍、クモ膜下出血は、約1.8倍の発症リスクがあります。

禁煙で「病気のリスク」は低下する

タバコを吸い続けると、他にも高血圧、喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、胃潰瘍、うつ病、歯周病、糖尿病、メタボリックシンドローム、バセドウ病、骨粗しょう症、ED(勃起不全)など、全身の病気のリスクが高まります。

反対にタバコを止めると、さまざまな病気のリスクは軽減されることが研修データにより判明しています。がんについては、禁煙から約5年でリスクが下がりはじめ、約10~15年で発症リスクは約60%に低下するといわれています。

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