今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『月経前症候群(PMS)』をご紹介させて頂きます。

つらい症状が現れる月経前症候群(PMS)とは?

女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類があり、そのホルモンのバランスによって排卵や月経が起こります。月経が定期的にあることは、女性にとって健康の指標にもなります。しかし月経中には下腹痛や腰痛、月経前には身体的、精神的に不快な症状が出る女性も多いです。今回は月経や月経前に出る様々な症状の原因や対処法についてまとめます。

月経前症候群

月経痛の原因と対処法

月経時には下腹痛だけでなく、人によって頭痛や腰痛、吐き気などを伴うこともあります。症状が重い場合には学校や会社を休まなくてはいけないこともあります。
月経痛は不要になった子宮内膜がはがれる時に、スムーズに体の外へ排出するために分泌されるプロスタグランジンによって引き起こされると言われています。また妊娠・出産などの経験がなく、子宮の入り口が狭い場合や過度なストレスによるホルモンバランスの乱れ、冷えなどによる血行不良、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れている場合も月経に伴う症状が重くなることが分かっています。
月経に関する症状をやわらげる方法には、内服薬、生活習慣の改善、食事などが挙げられます。内服薬には大きく分けて3種類で、NSAIDsと呼ばれるプロスタグランジンの作用を抑える鎮痛剤、女性ホルモンが含まれていて排卵を中止させる作用のある低用量ピル、体質と症状を改善する効果のある漢方です。鎮痛剤は薬局でも購入できますが、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることもあるので月経痛などの症状が重い、またはどんどん悪化していると感じた時には一度産婦人科を受診する方が良いでしょう。
また温かい湯船にゆっくりつかる、靴下を履くようにする、温かい飲み物を飲む、などのように体を温めるように心がけたり、適度な体操を行うことも月経痛の改善につながります。食べ物では納豆やヨーグルトなどの発酵食品、生姜や玉ねぎなどの血行を促進する野菜、イモ類や海草などの食物繊維の多い食品などが月経に伴う症状の改善に有効と考えられています。

月経前症候群

月経前症候群の原因と対処法

月経前にはエストロゲンよりもプロゲステロンというホルモンが優位になり、このホルモンによって身体や精神に様々な症状が起こります。具体的には頭痛、腰痛、めまい、吐き気、倦怠感、不眠、いらいら、落ち込みやすくなるなどの症状が出ます。このような月経前に起こる症状を全て含めて月経前症候群と呼ばれています。
月経前症候群に対する対処法も月経痛と同様に、内服薬、生活習慣の改善、食事などが有効です。月経前症候群は人によって多彩な症状が出るため、それぞれの症状に合わせて、例えば頭痛には鎮痛剤、吐き気には制吐剤、情緒不安定には精神安定剤などが処方されます。月経痛と同様に、低用量ピルによって排卵を止めたり、漢方によって症状を改善する方法も有効です。
またストレッチやヨガ、散歩などの軽い運動も良いと言われています。月経前には意識して、仕事量を減らす、いつもより早く帰るなどの対策をしてストレスの軽減に努めるのも良いです。食事に関しては、血糖値が急激に上がるチョコレートや甘いお菓子、塩分やカフェイン、アルコールなどは症状を悪化させる可能性があるので避けた方が良いです。代わりに食物繊維の多い野菜や海草類、納豆やヨーグルトなどの発酵食品、イソフラボンの含まれる豆乳などを摂るようにしましょう。

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