今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『インフルエンザにかかったらいつから登校・出勤してよい?』をご紹介させて頂きます。

インフルエンザウイルスの量の変化

インフルエンザウイルスは基本的にウイルスの量が多いと症状が強く、インフルエンザの検査で陽性が現れやすく、他者にうつる可能性が上がります。
インフルエンザは体内に侵入したあと急激に増殖します。そしてピークを迎えたあと減少し消失します。ウイルスの量で考えた場合、ある程度ウイルスが増えると症状が出る前でも他者へ感染する可能性があります。そしてさらに増えると発熱・関節痛・筋肉痛といった症状が現れます。さらにウイルス量が増えるとインフルエンザキットで陽性になります。つまり、症状が現れていなくても他の人に移す可能性があり、検査で陰性であってもインフルエンザである可能性があるということです。
インフルエンザのウイルスが体内に侵入しても直後には症状は現れません。ある程度増えたところで初めて症状が現れます。ウイルスに感染しているのに症状が現れない期間を潜伏期間とよびます。ウイルスは感染後、体の中で増殖し症状が出てから約2日後まで増え続けます。インフルエンザの検査は症状が出てから1日経たないと陽性にならないこともあります。

インフルエンザ

インフルエンザと他のウイルスの違い

インフルエンザが他のウイルスと違うのは、強い感染力と、抗ウイルス薬があるためです。
インフルエンザウイルスは少量で感染し、体内で急激に増殖します。その勢いは1個のウイルスが24時間後には100万個になっているという速さです。そしてインフルエンザの症状は強く、全身に現れます。38℃以上の高熱に加え、頭痛・関節痛・筋肉痛などが現れます。高齢者では4人に1人がインフルエンザをきっかけに肺炎になり、場合によっては死に至ることもあります。さらにインフルエンザは変異を起こしやすく、ワクチンを作っても新たな形に変化することで感染・発症します。そのため毎年予防接種が必要となります。しかし予防接種があっても日本では年間1000万人が感染する病気なのです。
多くの人に影響を与えるインフルエンザですが、他のウイルスとの違いとして治療に抗ウイルス薬が使えます。この抗ウイルス薬はインフルエンザが体内で増えないようにする作用を持っています。しかしウイルス量は抗ウイルス薬を使用しなくても症状出現後2日経てば自然に減少しはじめます。そのため、インフルエンザの抗ウイルス薬は症状が出てから48時間以内に使用することで効果を発揮するのです。

インフルエンザ

インフルエンザにかかったらいつから登校・出勤してよい?

インフルエンザにかかったら他の人に移す可能性のある期間は自宅待機が勧められます。学校保健法では学校に登校してよい基準を「発症した後5日経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで」としています。この日数を短く数えがちですが、前半の条件を例えると月曜日に発症した場合は月曜日を発症0日目とするため、火曜日が発症1日目、土曜日が発症5日目でこの日を過ぎたら登校許可となるので、実際には最短で日曜日から登校可能です。後半の条件は解熱してから2日経過ということですが、これは解熱剤を使用せず丸2日経過して以降という意味です。月曜日に解熱したら火曜日が解熱1日目、水曜日が解熱2日目になるので、登校許可は木曜日からということになります。
さて、実際の登校許可は2つの条件を両方満たした時です。そのため、発症後3日目(前半の例で木曜日)までに解熱した場合は、前半の条件の方が長い日数になるため日曜日から登校許可となります。しかし発症後4日目以降に解熱した場合は後半の条件の方が長くなるため、場合によっては次の週の月曜日や火曜日まで登校できません。これは他者に感染する可能性を考えて定められているため、学生だけでなく職場においても同じ考えで対応することが一般的です。

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