お知らせ

内視鏡手術、早い回復 〜 開腹より小さい傷 体制や技量に差 〜

医療ニュース
今回のホームページ制作に役立つコンテンツは、7月26日(日)日本経済新聞に掲載の「 内視鏡手術、早い回復  〜 開腹より小さい傷 体制や技量に差 〜 」をご紹介させて頂きます。



がんなどの摘出手術が必要になったとき、傷が小さく、患者さんの負担が軽減される、腹腔(ふくくう)鏡などの内視鏡を使った外科手術を勧められるケースが増えています。内視鏡を使う手術は、婦人科系の疾患や、胃、食道、大腸などのがん、泌尿器系の疾患など多くの臓器の手術で実施されています。
但し、同じ手術でも、おなかや胸を大きく切る開腹手術とは、医師にとっても必要な技量などが異なります。いざというときになって慌てないように、各手術の特徴などを知っておき、医師に十分な説明をしてもらってから受けましょう。
 

腹腔鏡手術とは

 腹腔鏡手術は、先端にカメラがついた腹腔鏡と鉗子(かんし)やメスなどがついた手術器具を、おなかに開けた1センチメートル前後の複数個の穴に入れて、がんなどの病巣を取り除きます。医師は、カメラの画像が映ったモニターを見ながら腹腔鏡などを操作します。15~20センチほどおなかを切る開腹手術に比べて傷口を小さくできるため、手術後の回復が比較的早い利点があります。
 

内視鏡のメリット・デメリット

◯ 内視鏡のメリット
・手術の傷が小さくて済む
・術後の痛みが軽い
・入院期間が短い場合も

◯ 内視鏡のデメリット
・腫瘍の大きさや数によっては対応できない
・術中の出血で開腹に切り替えることも
・隣接する臓器を医療器具で損傷することも
 

開腹手術のメリット・デメリット

◯ 開腹手術のメリット
・出血時に対応しやすい
・臓器の感触を手で確認できる
・複数の腫瘍や大きいものでも対応できる

◯ 開腹手術のデメリット
・臓器が空気に触れやすい
・傷口が大きい
・術後の痛みが大きい

内視鏡と開腹手術のメリットとデメリットで違いをご紹介しましたが、コスト面も違います。開腹に比べて内視鏡を使うと技術代などが増加しやすく、患者さんにとって治療費アップにつながりやすい。負担軽減や入院期間の短縮に加えて、安全性や治療効果など、医師と十分に話して納得した上で選ぶことが重要です。



1990年代以降に医療現場に広がった内視鏡による手術は、開腹手術に比べて歴史が浅く、まだ発展途上の段階です。
 高い操作技術やスタッフを含めた十分な実施管理体制が不可欠ですが、医師や医療機関によって技量や体制に差があるのも事実です。患者さんが判断する場合、手術実績などのほか、日本内視鏡外科学会が認定する専門医を参考にするとよいでしょう。同学会会長の松田公志・関西医科大学教授は「(認定では)高度な技術と十分な知識や実績があるか厳しくチェックする」と話しています。同学会では専門医をホームページで公表していますので、どうぞご参照ください。( http://www.jses.or.jp/about/certification.html


 
前の記事
次の記事